2020

薬局の吸入薬指導加算まとめ

2020調剤報酬改定新設吸入薬指導加算のまとめ

 

くじら薬剤師です。昨今の調剤報酬改定は新たに薬局側で自発的に算定できる内容が増えました。

2020年調剤報酬改定で注目の吸入薬指導加算。吸入指導加算ではなく、吸入指導加算なので注意しましょう。今回も2016年の調剤報酬改定から引き続いて新設された薬剤師が算定できる診療報酬。吸入薬指導加算はさまざまな条件がありますので注意して薬局で算定しましょう。

2020年調剤報酬改定新設 吸入薬指導加算

吸入薬指導加算の点数

30点(3ヶ月に一回しか算定できない)

 

step
1
薬剤服用歴管理指導料の1種


step
2
患者もしくは家族の同意での算定 または 処方医の求めに応じる


step
3
処方箋には、備考欄等に一包化と同様に要吸入指導 指示


step
4
医院への指導内容の要提示。(手帳へ記載または紙等のトレーシングレポートに類似したものを利用)

処方元の備考欄への、要吸入薬指導のコメントが必要になりますから、処方元と打ち合わせをしておきましょう。備考欄またはコメント欄へ入れてもらうのか、定型判子押印にするのか処方元に打診していきましょう

注意

吸入薬指導加算で注意すべき内容をチェック

 ・同時に服薬情報等提供料を算定できない。
 ・かかりつけ算定患者に関する患者全て(投薬者が異なっても算定できない)は算定不可。
 ・同月にかかりつけを算定して、次回来局時にかかりつけ算定した薬剤師以外のものが投薬した場合でも算定できない
 ・前回吸入薬指導加算算定から3ヶ月以内でも、他の吸入薬が出た場合は算定用件を満たせば算定ができる
 ・日本アレルギー学会が推奨するアレルギー総合ガイドラインを参考にして吸入指導するように指示あり

くじら薬剤師
かかりつけ薬剤師を算定していたら、吸入薬指導加算は算定できないのは注意ですよ

詳細はチェック

アレルギー総合ガイドライン2019
吸入指導はアレルギー総合ガイドラインを参考にしないといけないと、記入されています。上記の書籍をグループの薬局で購入して閲覧されてもいいでしょう。

この吸入薬指導加算に関しては過去の調剤報酬改定における審議を追っていかないとうまくどうしたらいいか、どのように報告したらいいか分からなくなりますので過去の中医協の話を見てみます。




吸入薬の服薬指導について 18  中医協での論点抜粋(2019年12月4日) 

過去の吸入薬指導加算の論議は意外と注目された点が過去ありました。それは今回の2020調剤報酬改定では、あまり書かれていなかったので再注意されてください。

医師から打診された吸入薬指導におけるチェックポイント

・吸入薬におけるデバイス毎の使用でどこがネックが知りたいという意見が上がった。

くじら薬剤師
デバイスの使用における作業手順が難解なのか、それとも吸入に対するアドヒアイランスに問題があるのかを具体的に確認しましょう

アレルギー総合ガイドラインからの上記は抜粋です。さらにほかのページもみてみましょう。

上記が今回の調剤報酬改訂2020の吸入薬指導加算におけるアレルギー総合ガイドラインの抜粋のポイントに。おそらく各現場の薬局薬剤師が思っているよりもさらに、吸入薬のデバイスにおける各動作の使用可否についてそれぞれのタームにおいて、きちんとチェックするように記入されています。

新卒ネコ薬剤師
副作用や嗄声よりもまずは、吸入動作に問題あるかが大事ということだな。

新卒ネコ薬剤師
吸入動作のそれぞれのタームにおける詳細チェックは盲点でした!
 

意外と動作の詳細は目前でチェックすることは少ないからね
くじら薬剤師

薬剤師による吸入薬指導の手技指導におけるチェックポイント



・デバイスの選択が妥当か(吸入薬動作における問題の詳細を抽出する)
・チェックリストを利用して一見して易読可能なご操作の点検
・吸入アドヒアランスの確認
・症状の状況よりもコントロールを重視
・手技のチェックは必要(デバイス毎で異なるのでどこがネックかの追求)




吸入薬指導の詳細チェックを各地域でみてみる

各地域の吸入薬の指導におけるデバイスチェック表を好評している法人があるのでみてみましょう。
よくアドヒアイランス不良の筆頭であるシムビコート・パルミコート・オーキシス系。

後半の指導におけるイラストは不要かもしれませんがここまで吸入の詳細をチェックする必要があるのでしょう。

下記は愛媛大学の薬々連携の吸入指導の一例です。今回の吸入薬指導加算と全く同一で思ってはいけませんが非常に参考になります。これは手技にあまり重点を置いておらず簡潔に医師または医療関係者から容易に判断できるような内容になっています。お薬手帳報告用のフォーマットもあります。

違う病院の法人の吸入指導もピックアップしてみましょう。

吸入薬手技確認事項

・自分の力でキャップを開けれるか
・デバイスは水平にして吸入しているか
・ボタンは自力で押す事ができるか、ボタンはプッシュしたまま維持していなか
・吸入前に息を吐いているか
・強く深く長く吸入ができているか
・息止めは可能か
・残量は把握できているか

新卒ネコ薬剤師
詳細に確認すると意外と吸入できていない項目があるんですね

吸入薬指導加算の報告方法

くじら薬剤師
結局、吸入薬指導加算はどうやって報告していくか考えないといけません

病院薬剤部との薬々連携で吸入指導は過去従来どおり行われていました。
上記の画像のような形で備考欄へコメントも設け、何かあればそこに記載を行って対応していたのです。連携していた薬局によっては地域の取り決めで一元的にわかるように数字で点数をつけていたこともあります。がこれは手帳に記載すると患者が点数における不安のクレームが発生するかもしれませんのでこれは患者自身へ見えない場合での報告に限るでしょう。

ココがポイント

アレルギー総合ガイドラインに沿った吸入指導を心がける必要があるので、手技における吸入薬のデバイス使用における問題は割愛しないこと

この手技詳細を記入するとどうしてもお薬手帳への薬品名+手帳へのフリーコメントへの記載はむずかしいでしょう。もし吸入薬指導加算を算定して、 吸入について(可 不可) だけのようなお薬手帳への記載はダメですからやめましょう。ではどうするのか。

方法としては過去に薬々連携で行われていた、病院⇔薬局の指導加算と同様に紙面での報告、faxでの報告も各法人は準備しています。そのチェック内容も何度も言いますがデバイスにおける手技の少子チェック等も忘れないようにしましょう。




とは言っても吸入薬指導加算の医師への紙面報告は難儀

紙面やfaxでの報告は医院への報告はときにより嫌がられるのが事実。
その対応についてまとめました。

ココがポイント

吸入薬指導加算はお薬手帳で報告する

お薬手帳へのシール添付をおすすめしています。
上記のブログ記載内容を小さいサイズのシールへ転記しましょう。
デバイス毎に作っておくと非常に楽です。吸入薬はデバイスごとで指導しますので多岐にわたりませんから最初に作成してしまえば楽です。

吸入薬のデバイスをチェック

吸入薬デバイスでそれぞれシールを作成する

  • エアゾール、ロタディスク、吸入液
  • ディスカス、タービューヘイラ
  • エリプタ、ツイストヘラー

お薬手帳へシールの貼付にしましょう。
それが現場的にも非常に楽になります。対象の薬剤をピックアップして貼付するだけ。
内容の作成ですが一度作成すればデバイスごとの調整するだけですので非常に簡単。
是非お試しください。
お薬手帳 カバー 50枚入 COV50も購入を忘れないようにしましょう。お薬手帳カバーは大切です。

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