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医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

今回のブログのポイント
・ 今後の薬局の流れ、運営は背景を良く吟味し業務しないと付け焼刃になる
・ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等を理解する
・ 何も対応していかない薬局は経営的に困難な診療報酬付けになる可能性
・ 薬剤師に関しても、今まで以上に踏み込んだ業務、資格が必要となる
・ 専門的資格、連携作業、各種算定を怠ると転職できないかもしれない
・ 背景を理解せず業務していくと間違いなくアウトとその理由
・ 今後の薬局の運営はすべて行政の文章に書いてある、その抜粋(重要)

今回のブログは前回までの認知症関連シリーズの閑話。
2019年12月4日に 号外が出た。

薬局業務に重要な号外


この前の2020年12月4日医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律が可決・成立し公布された。
元来は2019年3月より法案が出され、区間を経て決定されたので押し問答があった内容にはなるが薬局薬剤師にとっては業務上関連があるのでチェック必須だ。

この医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に関しては
このブログで何度も何度も登場している、患者のための薬局ビジョンからの流れとなるので厚生労働省からの鳴り物入りの政策であって折れたりはしない。

以前も打診したように患者のための薬局ビジョンの流れは引き継いだ。

患者の為の薬局ビジョン

これが患者のための薬局ビジョンだった。

よく読もうこれからの業務のあり方

これからの薬剤師・薬局の在り方、と称して厚生労働省からここ1年で路線付けされた流れがある。これからの薬剤師、薬局の在り方、である。
その為以下の図を参考にしてもらいたいが、服用期間および、服薬状況についての指導および、専門的な高度薬学管理を長期のビジョンで有しないと今後の町薬局での勤務は難しくなる。そう、なぜなら既にもう国が道筋を残しているのだから。

これは2019年2月の内容だった。
薬剤師が、調剤時のみならず、薬剤の服用期間を通じて、必要な服薬状況の把
握や服薬指導を行う義務等を明確化 、とあるがしっかりと今回の号外でも明記。
明記された、ということは作業は行う必要がある。

第一項又は前項に定める場合のほか、薬局開設者は、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤の適正な使用のため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、その調剤した薬剤を購入し、又は譲り受けた者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握させるとともに、その調剤した薬剤を購入し、又は譲り受けた者に対して必要な情報を提供させ、又は必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。

明記されている。
つまり、 過去の業務であった、調剤、投薬で業務完了の流れから、

調剤投薬時の説明、薬学的管理

服用区間の薬学的管理、服薬情報、副作用確認等
また一般用医薬品の使用、残薬も報告

必要に応じて関連医療機関および医師または歯科医師等への報告

報告は同時に記録




といった業務の流れが必須となった、という事だ。(現段階での発表)
今後この詳細は発表されると思うが、薬局での投薬後のフォロー業務は
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律で明記新設された為、作業を履行しない、という事はできない。
(といっても、薬歴未記入で大問題にこの数年なったが。)

薬歴未記載問題でニュースになった関係から、薬局での情報提供における指導の記録は今回の法令に明確に記載され、また開設者の責任義務を明確に記入しているので
現場管理薬剤師だけの責任追及ではなくなっているのが今回のポイントでもある。

薬局開設者は、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に第一項又は前二項に第十四条第十一項中「第九項」を「第十三項」に改め、同項を同条第十五項とし、同条中第十項師にその内容を記録させなければならない。

薬歴を記載せず作業する、というのも驚愕だったが実際に存在していたのだがら驚く。
(背景は色々あったようなので現場薬剤師も辛辣だったかもしれない)
忙しくて辛くて大変でも、正確で流れのあり、また薬学的な知見(いわゆる副作用の確認、残薬があるか、またあるポイントを絞った薬歴の記載)は必須な作業でこれを履行しないと法令違反だ。そう、違反業務なのだ。薬歴は記載しよう。当たり前だ。あなたはプロフェッショナルな薬剤師なのだから。

専門医療機関連携薬局 の名前は確定。

高度な薬学的管理ニーズは、まさに予想通り、専門医療機関連携薬局という名前を変えて方針付けされている。

官報を見てみよう。(略あり)

医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、薬剤の適正な使用の確保のために専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能に関する次に掲げる要件に該当するものは、

厚生労働省令で定めるがんその他の傷病の区分ごとに、その所在地の都道府県知事の認定を受けて専門医療機関連携薬局と称することができる。

・構造設備が、利用者の心身の状況に配慮する観点から必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
・ 利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
・専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
・ 都道府県知事の許可が必要
中略

第一項の認定は、一年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を(認定の基準)失う。

1年ごとの更新制度の認定は、該当薬剤師が異動退職の場合を狙ったのかもしれない。
患者のための薬局ビジョンの段階で、高度薬学的な知識、資格を有するように、準備できたかというと街の薬局薬剤師にとっては専門性の領域は困難を極めた。ほとんどの勤務薬剤師は、専門性のある領域への進出へこの4年間は行っていないのが現場実感ではある。その為各経営層、管理薬剤師等 はそこまで焦燥に駆られなくてよい。業界的に、法令制度ビジネスの世界は現場は、大手の薬局でない限りは後出しじゃんけん薬局運営での運営政策になってしまうのが現実だから。

気になるのは傷病の区分ごと、になる、癌領域に関しては下部のイラストに示しているが癌領域における服薬後フォローアップの実験はすでに厚生労働省が絡み、モデル事業を行って実験済みになる。知らない薬剤師も多かったかもしれない。

 

だが、患者のための薬局ビジョンの段階で、高度薬学的な知識、資格を有するように、準備できたかというと街の薬局薬剤師にとっては専門性の領域は困難を極めた。ほとんどの勤務薬剤師は、専門性のある領域への進出へこの4年間は行っていないのが現場実感ではある。その為各経営層、管理薬剤師等 はそこまで焦燥に駆られなくてよい。業界的に、法令制度ビジネスの世界は現場は、大手の薬局でない限りは後出しじゃんけん薬局運営での運営政策になってしまうのが現実だから。




流れがうまくできてきた

この流れでは、かかりつけ薬局に関しての機能が地域連携薬局に、
また 患者のための薬局ビジョンでの高度な薬学的管理をもつ薬局が専門医療機関連携薬局、という形になっていくと予想される。

詳細は以下の通り。

比較された資料がある、かかりつけ、健康サポート薬局、地域連携が明記。
健康サポート薬局は、流れ的には引き続き推進。現段階では地域連携薬局、
専門医療機関連携薬局に注力している。

地域連携薬局に関しては少しずつ情報が出ている。
ほとんどの薬局薬剤師がこちらのほうが興味がある内容になるかと思う。

地域連携薬局

患者に配慮した構造設備
・プライバシーに配慮した構造設備(パーティションなど)
○医療提供施設との情報共有(※※)
・入院時の持参薬情報の医療機関への提供
・医師、看護師、ケアマネージャー等との打合せ(退院時カンファレンス等)への参加
○業務を行う体制(※※)
・福祉、介護等を含む地域包括ケアに関する研修を受けた薬剤師 注)の配置
・夜間・休日の対応を含めた地域の調剤応需体制の構築・参画
○在宅医療への対応(※※)
・麻薬調剤、無菌調剤を含む在宅医療に必要な薬剤の調剤
・在宅への訪問  等、詳細は追って決定される。

(※※)に関しては、健康サポート薬局の研修にとって変わる場合も検討中。

健康サポート薬局の研修は受けること!

健康サポート薬局は標榜できないが研修を念のため受けていた薬剤師には朗報だ。
健康サポート薬局を標榜するには配属薬剤師がすべて健康サポート薬局の
研修を受けないといけないが、地域連携薬局はどうなるのか。
いずれにしても、ほとんどの街薬局薬剤師は健康サポート薬局の薬剤師研修、
および地域包括の名前のつく研修は(ただし自分の参画する地域だ)、参加するように各法人に打診している。

薬剤師が知らないと薬局が崩壊する内容

ちなみに、経済財政諮問会議 新経済・財政再生計画 改革工程表2018、という
長い長い名前の法案の中で、社会保障分野のKPIで、薬局運営でかなり大事な
以下が明記されているので忘れないようにしたい。

・地域包括ケアシステムにおいて過去1年間に平均月1回以上連携して
医師と在宅業務を行っている薬局数: 2022年度までに60パーセント

・重複投薬相互作用等防止加算 に関して2021年度までに2017年と比べ
2割件数増加

さらに忘れていただろうが 以下の薬局機能への報告のKPI。

薬局機能情報提供制度の拡充とKPIの設定

(4) 地域医療連携体制の案件
(ⅰ) 医療連携の有無(例:地域におけるプレアボイドの取組)
(ⅱ) 地域医療情報連携ネットワークへの参加の有無
(ⅲ) 退院時の情報を共有する体制の有無
(ⅳ) 受診勧奨に係る情報等を医療機関に提供する体制の有無
(ⅴ) 地域住民への啓発活動への参加の有無

地域包括ケア、地域関連 連携研修の参加は必要で
研修会の資料も保存しておく必要がある。

報告関連を見てみよう。

二 実績、結果等に関する事項
(1) 薬局の薬剤師数
(2) 医療安全対策の実施
(ⅰ) 副作用等に係る報告の実施件数
(ⅱ) 医療安全対策に係る事業への参加の有無
(3) 情報開示の体制
(4) 症例を検討するための会議等の開催の有無
(5) 処方せんを応需した者(以下この表において「患者」という。)
の数
(6) 医療を受ける者の居宅等において行う調剤業務の実施件数
(7) 健康サポート薬局に係る研修を修了した薬剤師が地域ケア会
議(行政職員をはじめとした地域の関係者から構成される会議
体をいう。)その他地域包括ケアシステムのための会議に参加し
た回数
(8) 患者の服薬情報等を医療機関に提供した回数
(9) 患者満足度の調査
(ⅰ) 患者満足度の調査の実施の有無
(ⅱ) 患者満足度の調査結果の提供の有無

副作用等に係る報告の実施件数、 症例を検討するための会議等の開催の有無、
健康サポート薬局に係る研修を修了した薬剤師が地域ケア会議その他地域包括ケアシステムのための会議に参加した回数等、下線部はかなり需要な項目となっている。在宅も同様に必須になり、これらの関連報告数を作業としてすぐにでもあなたの薬局は行わないといけない。 今後の薬局として生き残るのであるから。




 

 

まとめ

薬局薬剤師として今後長期的に勤務するなら以下を行う
・健康サポート薬剤師は必須
・地域包括ケア、地域包括会議、地域連携会議研修は参加する
・服薬情報等提供算定は月1件以上 算定する
・症例検討会はかならず定例で行う
・PMDA,ヒヤリハットへの報告は行う
・薬歴は法令順守、書く。書く。
・かかりつけは引き続き算定する
・重複投薬相互作用等加算は Aを中心に算定する
・算定0件が多い薬局はかならずメスが入る
・算定0件が多い薬局にいた薬剤師は転職できないだろう

 

 

 

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