中小規模の薬局の経営層、若手中間層と話していて、皆さん同一のご意見内容があります。
それは、「地域連携薬局を目指していたが難しくなってきた」
切実な悩みでしたが、同じように思っている薬局は多いのではないでしょうか。
注意
小さな規模で、面分業に力を入れていない薬局には厳しい政策となった
今回の地域連携薬局についてある程度概略を見られた方は多いでしょう。
大まかな概略戦略として生き残りをかけた薬局戦略では、厚生局が
数年前に打ち出した「地域連携」か「専門医療機関連携」か、どちらかの方向だった場合、
その多くは地域連携薬局を目指そう、そういう志でKPI設定をされたと思います。
目指す方向は正解だったかもしれません。
当面は各地域の薬剤師会の運動で、不透明だが「地域連携」について踏み出した行動に出ていました。
中でも、この3ー4年の地域包括センターを中心とした勉強会、連携研修は
地域の差はあれど非常に多く開催されましよね。
今回の「地域連携薬局」における地域包括研修を要綱に組み込んできたため、
各地域で薬剤師の参加が突出して増えてしまい研修側が
人数チーム設定に苦慮しているようです。
地域包括ケア会議の研修は地域の特色が色強く出て差が出てしまったかもしれません。
開催については地方の色が出てしまい、回数や内容、開催地域で大きな差が出てしまっている
ことは悩ましい新しい問題になります。
ただし厚生労働省も、この内容のパブリックコメントには対応。
継続的な研修の有無のみに言及し、回数規定を行っていない、と回答しています。
地域包括ケア研修メモ
・地域に開催頻度、内容等の差が大きな乖離があるため、
地域包括関連の研修参加について、回数では言及されない
在宅に関しては、多少広がりを見せています。新しい動きをしている
薬剤師さんもいるので情報戦に遅れないようにチェックされてみてください。
在宅薬剤師参考資料でおすすめはこれ
在支診薬剤師という働き方――在宅医療における新しい役割をデザインする>>詳細を見てみる
在支診メモ
・在宅のみを業務とする薬剤師9人の奮闘気
・在宅で業務する運営方法、考え方、投薬などバランスよく記載
・在宅に携わる医師の「在宅薬剤師への業務期待」が書かれており
かなり参考になる。
くじら薬剤師って?
こんにちわ。この薬剤師ブログを書きましたくじら薬剤師です。
大手薬局チェーン経験後、医療過疎地域での苦労した薬局運営を体験後に中規模薬局チェーンへ転職。小規模の薬局運営と、運営組織力の向上、薬剤師のヒト的問題の解決、小規模薬局の独自運営をサポートし広く活動中。対人関係を徹底的な面談とサポートで解決して6年。転職が多く困る法人からの相談後3年離職率がほぼ0へ。全ては人の問題です。お気軽にお問い合わせから相談されてください!ツイッターもフォローしてね!
参考閑話 : 在宅療養支援診療所
在宅療養支援診療所とは?
在宅療養支援診療所の要件の主要部分のまとめ抜粋
・在宅医療の占める割合が95%以上であること(外来が多いと駄目)
・直近1年間に、5カ所以上の保険医療機関から新規患者の診療情報提供が必要
・24時間連絡を受ける医師又は看護職員を配置し、その連絡先を文書で患家に提供していること
・患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保している
・往診担当医の氏名、担当日等を文書で患家に提供している
・他の保険医療機関、訪問看護ステーションの連携により、
24時間訪問看護の提供が可能・在宅療養患者の緊急入院を受け入れる体制を確保している
・介護支援専門員(ケアマネジャー)等と連携していること
設置基準は抜粋ですので、注意されてください。
まとめたら、在宅特化型で、重症患者や要介護3以上も診ており、
ほかの医院から受け入れを行いつつ、看取りの件数も網羅されています。
医師3名以上配置し、さらなる要件を満たしますと
「機能強化型在宅療養支援診療所」と標榜できるようになります。
地域連携薬局の機能
地域連携薬局の機能は、かかりつけ薬局薬剤師機能だけが必要ではありません。
過去の厚生局の発言では、上乗せでさらなる薬局機能も求められています。
地域連携薬局ポイント抜粋メモ
・かかりつけ薬局機能は基本ベース
・在宅機能特化を、かかりつけ薬局型に付加した形を求める
・加えて、在宅療養特化機能で無菌調剤機能を求める
・麻薬応需は当然ベースとなる
これがさらに大事ワード
・情報発信拠点薬局を担うこと
・かかりつけベース+在宅機能特化+無菌調剤+情報発信の医療現場
情報発信拠点
情報発信拠点として目指すのが今回のキーワード。
薬局機能としてはあらゆる薬治療に関わる情報発信拠点を求められています。
そのため、中にはPMDA等の副作用情報を主にした確認と医師への報告、
ヒヤリハット情報における医薬品副作用情報を利用した投薬と連携なども名言されています。
地域連携薬局において話題なのが、情報提供が月30回以上の件。
一定のボリュームがある薬局かつ、在宅がある薬局では在宅の報告だけで
容易に到達できるでしょう。
小さい規模の薬局では、かなり難易度が高いと予想されます。
(そもそも、無菌調剤体制の問題はどうするのか。。契約書も必要だったり。。)
地域連携薬局の報告30回の例
・入院における連携報告
・トレーシングレポート(算定を含まないものでもよい)
・退院時含めた薬々連携報告(地域により書式定めあり)
・服薬情報提供文章1または2
・居宅報告
・吸入薬指導加算での報告
・フォローアップした内容のフィードバック
健康サポート薬局と地域連携薬局の違いとは
抜粋のまとめですが健康サポート薬局と地域連携薬局の違い(比較)を以下に示します。
注意:ブログ記載時点のもの。
健康サポート薬局 | 地域連携薬局 | |
開局時間 | ・平日は1日8時間以上、 土曜日又は日曜日のいずれかの曜日は一定時間以上開局(4時間以上) ・休日夜間の要応需 注;8時間は、午前8時から午後7時のうちの8時間。 |
左と同一内容。 注:週45時間以上が好ましい 注2:地域の薬局が交代で休日・ 夜間診療所等に当該薬局に勤務する薬剤師を派遣している場合には、当 該夜間休日応需体制基準を満たしているで良い |
主要設備 応需基準 |
要指導医薬品、介護用品取り扱い 備蓄医薬品の数量規定は、ない。 要プライバシー配慮設備 個室設定は必要なし要在宅取り組み。 |
OTCや備蓄医薬品の数量に関しては言及なし。 注:未病の段階では健康サポート薬局を想定している 在宅を重要視している理由から以下。 ・麻薬応需 ・高度管理医療機器免許 |
補足 | OTCの相談内容は3年保存 健康相談会の周知と開催 (開催は月1回) 周知に関しては情報発信を重要視。 かかりつけ薬局はベースなので かかりつけ算定に伴う薬歴は必要。 |
・地域包括ケアシステムまたはそれに準じる研修計画の立案 ・地域包括ケア会議研修の継続的な参加 ・在宅月2回以上 ・情報提供月30回以上。 ・半数以上の登録薬剤師が健康サポート薬局の地域包括ケア部分の履修必須。 |
薬剤師資質 研修について |
常駐薬剤師は全て要健康サポート薬剤師の資格。(5年以上の実務) かかりつけ薬剤師業務必須 |
1年以上勤務する薬剤師の半数以上の配置。 半数以上の薬剤師が、地域包括ケアの研修を終えていること。 |
体制事項 | 要地域包括ケア関連研修 健康サポート薬局手順書の準備 連携を伴う医療機関、地域包括関連施設の提携記載が必要。 注 :提携施設に関しては、日常生活権に1件以上。主要取引医院以外も記載が好ましい。医院だけでなくほかの施設も網羅すること。 |
地域包括ケアシステム会議の継続的な参加。
無菌製剤調剤体制の有無。 |
健康サポート薬局に関しては、OTCや要指導医薬品に関して重点を置いています。
(旧来あった昔ながらの相談薬局のようなイメージ)。
地域連携薬局は、在宅および医師、医療機関へ情報を発信する在宅拠点薬局を
狙っていますから大きな違いがあります。
ポイント
要指導医薬品など、病気になる「前」の相談窓口と、病気に罹患した後対応の在宅中心拠点を分けています。
地域包括ケアシステムまたはそれに準じる研修計画の立案はどうでしょうか?
ある程度日程等把握していればいいでしょうが、地域の薬剤師会の研修は
突然のFAX等で把握して参加される地方もあると思います。
現状では「計画的かどうか」がポイントですので、管理記録簿等に
研修計画のページ(ない場合は設けて)へ以下のような記載でもいいでしょう。
薬局研修計画メモ
研修計画 例
在宅医療研修 参加 予定
****
医療安全研修計画 (年2回)
内容: ヒヤリハット対策、 ***
補足: 研修を実施した場合は、開催日時、場所、受講した従業者数及びその氏名、研修項目及び内容等を記録し、3年間保存する必要がありますので忘れないようにしましょう。
**地域(または**区)における地域包括ケア会議参加 予定
内容 : 未定
地域ケア会議参加見学
****
糖尿病副作用対策研修
副作用報告対策研修予定
****
などなど。
勤務継続1年以上の薬剤師の配置で異動、新規雇用で困った方もおるでしょう。
QAでも出ていますが、
認定期間終了の期限までに新しく雇用、異動した薬剤師が1年以上
在籍できるのであれば、取り下げる必要はないようです。
注意
在宅の件数にも注意
地域連携薬局における在宅の件数ですが、月平均2回以上を求められましたが注意事項もあります。
在宅回数メモ
複数の利用者が入居している施設を訪問した場合は、
調剤の業務並びに情報の提供及び
薬学的知見に基づく指導を行った人数にかかわらず1回とする。
また、同一人物に対する同一日の訪問は、
訪問回数にかかわらず1回とする。
地域連携薬局の利用者の服薬指導等の際に配慮した構造設備とは
地域連携薬局の構造設備での「座って情報の提供を受ける」という記載。
地域連携薬局の構造設備での、イスに関してのポイント
座って情報提供に関しての重要事項
・情報提供内容が、漏洩、聞こえない配慮設備にする
(待合にある待合イスで膝つき投薬の意ではない)
・利用者が、座った状態で情報提供を受けれる旨を薬局内に掲示する
・必ずしも、新しいイスが必要となってはいない
補足:通知を待ちましょう。
・待合における現在のイスを流用しても可能だが、以下の内容を盛り込む
・他者の目線を避ける、プライバシーに配慮した配置と間隔
・パーテンションを利用してもいいがほかの投薬台と区別する
・別途に設けた個室は現段階では必要はない
補足とした設備改修もあります。
・入り口の段差はフラットに。
・手摺は可能ならば、でとどめておく。
新たな座椅子、机を準備できない場合はほかの待合イスと大きく間隔を開け
パーテンションで区切り、視線が集中しない場所の一角を作る必要がありそうですね。
今回は地域連携薬局のポイントを抜粋しました。
次回は忘れてない?地域連携薬局での手順書を書くかもしれません。
手順書、大丈夫ですか????
また次回もぜひチェックしてください!ツイッターもフォローしたら・・
有益な情報が・・手にはいるかもしれませんよ!
最後の緩和
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