薬剤師業界情報

薬剤師の9割が避けたいけど、企業側は学んで欲しい内容。それは経営。エピソード1

薬剤師は薬のプロフェッショナル。
そしてあらゆる科目にも対応できるようになる必要がある
ジェネラリスト必須の職務。

薬スキル、対人スキルという深くて広すぎる業務内容でほとんどの規模の薬局で
「経営」という内容は置き去りにされてきました。
もちろん、対人業務についてもほとんどの薬局では何も研修はありません。
ただ、大手のような長く詰め込み研修は昨今ではする必要はなく
ある程度のレベルであれば経験と実行で身について行くもの。

対人スキルに関しては書籍の閲覧程度と、
対人関係における定期的なミーティング(これが最重要)
で十分将来的に恵まれた薬剤師能力を身につけることができます。

がーん
薬局経営なんて自分には全然関係ないにゃ・・
ちょっと待って!!薬局経営って決算書の読み方、PLやBSなどだと思ってない?
そのイメージがあるから忌避されるんだよ。実際は違うんだよ。予想と違うから安心して。
くじら薬剤師
新卒ネコ薬剤師
本当かにゃ・・実務につながるのにゃ?経営はちょっと興味ないけどにゃ・・
くじら薬剤師
今求められてる能力の一つに「薬局をどう運営するか」の能力があるんだ。
実際、小規模の薬局では経営的能力についてあまり知らない社長、中間管理職が多いから数字的考察できる薬剤師になると
とっても重宝されるよ!
新卒ネコ薬剤師
じゃあちょっと頑張って学んでみるにゃ!
シリーズでやっていくから、この くじら薬剤師ブログをお気に入りに入れてチェックしてね!
ツイッターもフォローしたら何か知らない内容を垣間見れる・・かも!
くじら薬剤師

このシリーズではこれがわかる

  •  薬局運営の数字を考察できるか、できないかで給与が大きく変化する
  •  経営はぜんぜん難しくない。薬局はシンプル。
  •  皆が避けてきた数字分野。薬剤師として生き残るなら数字にも強くなろう。

 

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くじら薬剤師って?

こんにちわ。この薬剤師ブログを書きましたくじら薬剤師です。
大手薬局チェーン経験後、医療過疎地域での苦労した薬局運営を体験後に中規模薬局チェーンへ転職。
小規模の薬局運営と、運営組織力の向上、
薬剤師のヒト的問題の解決、小規模薬局の独自運営をサポートし広く活動中。
小規模の薬局運営のコツと方法を力強くサポート。
転職が多く困る法人からの相談後3年離職率がほぼ0へ。全ては人の問題。
運営で困っておりましたらお気軽にお問い合わせから相談されてください!薬局MAなど薬局譲渡、売却先を考えておられる方も相談されてください。薬剤師転職相談も承っております。
ツイッターもフォローすると有益な情報が!




経営の話の前に復習。聞く能力大丈夫?

薬剤師として求めらる能力として、対人スキルがありますよね。
でも実際、対人スキルとしてご自身で何か自己投資をしたでしょうか?

したとしたらかなりの大手や、法人中枢部の思慮が深いでしょう。

対人スキルで学ぶべき内容は、ダントツで「どのように聞くか」の一択。
話すスキルは2次3次能力と言われています。
薬剤師は説明する業務のみではなく以下の能力が必要。

・限られた情報の中で情報を読みとる
・信頼関係の希薄な中で会話をする
・情報を聴取し記録し次につなげる

研修にわざわざ出向く必要はありません。
それより薬剤師は研修は多忙なため、この手の研修を履行するくらいであれば
地域包括への研修、専門分野の研修、オンラインソリューションの研修をした方がベター。

なので薬剤師の「聞く力」については手取り早く書籍で解決しましょう。

薬剤師の聞く力で良く読まれてるのはこれ

メモ

聞くか聞かないかで結果が全て変化。
その方法を伝授。聞くのは非常に高度な能力が必要なのがわかります。
投薬は毎日の業務。
聞くこと について自己投資勉強していなくて大丈夫?
信頼はまずは聞くこと。その重要性が理解できる内容。
実務直結の内容。

硬いのは少し苦手という薬剤師へ

メモ

硬い文章はちょっと苦手な薬剤師へおすすめ
質問の工夫、優しい問いかけ、など切り口が異なり安心できる聞く力がつくようになるでしょう。
動作や動き方、所作まで記載されていますのでわかりやすい。

 

薬局の数字について実際どうなの

では今回のブログの本題に入っていきましょう。
薬局薬剤師として「数字」ってどこで関わってきたでしょうか。





あるレベルの薬剤師さんでは深く関わっているかもしれませんが、
一定数の薬剤師では以下の内容程度しか関わってないかもしれません。
(大手では薬局単独PLBSのチェックがある場合があります)
(IT系の薬局ではアナリティクス系も学んでいます)

薬局数字管理例

・在庫
・在庫率
・残業・タイムカード
・売り上げ・薬剤費
・粗利益

他のもろもろもありますが、大まかに分けてこのような内容ではないですか?

そもそも、実際の「利益」について教わってない場合があります。
粗利益だけでは何も薬局体力はわかりません。

そこから人件費や各種費を引いていく必要がありますが
「残業などの人件費」について言及されているが、
実際にかかっている人件費を現場に教えている小規模の薬局はほとんどな印象です。

人件費削減、残業についてトップから指示されているのに
その薬局単独の販売管理費の一部である単純労働給与支払いトータルを教えてもらってる薬局は
ほとんどありません。

薬局でかかっている人件費が不明、最終利益が不明なのに
残業削減、固定費削減は無理がある指示でしょう。
薬剤師さんは皆バカではありません。
詳しく説明してあげる必要がありますし、皆さんも理解したいですよね。

ココがポイント

薬局の数字管理では実施の人件費(福利厚生費用は除く)と最終利益も把握しよう

とは言え、そんな数字現場に落ちてきていないという意見が大多数。
その場合は、きちんと本社または給与支払い責任者へ掛け合い人件費含め
数字を毎月教えてもらうことが大切です。

求められる薬剤師になるためへの秘訣

求められる薬剤師は昨今の調剤報酬改定によりフォーカスされ始めた内容があります。

・かかりつけ薬剤師算定に積極的
・地域支援、地域包括への業務での提携能力
・Drへのトレーシングレポート提出能力
・IT系統のインフラ開発能力
・各種加算系の積極的診療報酬算定能力
・専門的分野での勤務体制(抗がん剤など)
・地域を選ばない勤務が可能(年齢による)
・マルチタスクが可能(人事、総務、薬務)

薬剤師の転職事情でも上記のようなポイントの似たような内容を聞かれています。
おそらく、あらゆる加算系、Drへのトレーシングレポートなどは
企業によっては給与ノルマ体系になっていますよね。

しかし一方で圧倒的に不足している分野人事があります。
それが、薬局経営的思考。
数字から、どのようなストラテジー、いわゆる「戦略」を立てるか
この判断と実行を行う薬剤師がいません。

薬剤師は薬のプロフェッショナルなので、数字的経営分野に疎いのは学業的に仕方ないことです。
しかし、経営=めんどくさいPL・BSの読み方だと思ってませんか?
損益通算?販管費?営業外収入?当期純利益?
いいえ、こんなワードの羅列ではありません。

大事なのは、数字からどのような戦略を立案するか。
文章にすると難しいですが、実行するのは簡単。
この能力は薬剤師業務をしながらだと、経験的に時間が必要。
季節による処方箋枚数の増減もかなり変化があります。





薬剤師として勤務しながら、必ず経営的戦略を立案することが
今後長期間薬剤師として、そして高水準給与で薬剤師勤務できる
能力がつくでしょう。

数字を見てから、どのような戦略を立てるか考える

例えば在庫を考える

ではコラム的に考慮してみます。

薬局の在庫金額はわかりますか?

在庫が多いから減してくれ、と、薬価改定や決算、棚卸しの度に言われている
薬局があるかもしれません。

では、上述の「薬局の在庫が多いんだけど」と言われた場合を考えます。
これには、ロジカルの使用で申し訳ないですが
今回のエピソードは基本のキになりますので使用させて頂きます。

その方法は、「なぜ」を使います。
トヨタ生産方式で有名になりましたが薬局でも十分通用します。

step
1
薬局の在庫が多い


なぜ多いのでしょうか。なぜ、在庫をここまで持つ必要がありますか?
一括発注などで半年や4ヶ月分などABC分析を使用し、
大量発注における値引き考慮で一時的に上がっていますか?
では、1年を通したら平均の在庫率はどうでしょうか?

step
2
集中率が低く、面で受ける機会損失を逃さないため


なぜ、機会損失を逃さないのが、この在庫に繋がりますか?
面で受けるのであれば、在庫ではなく、
対応で逃がさないように現場で対応できませんか?

step
3
患者予測が不規則で、在庫を持たないと郵送になるため

なぜ、患者予測が不安定なのでしょうか。
発注システムを利用した予測発注はどうでしょうか?
予製を行い管理はできないのでしょうか?
できないのであれば、なぜやらないのでしょうか?
人手?時間がない?発注システムやABC分析はどう?
わからないのは、なぜでしょうか?時間がない?
時間がないのはなぜでしょうか?仕事を他人に振っていない?
振れない理由はあるのでしょうか?

step
4
なぜを繰り返すと予想もしない問題が出現する

といった具合で、どの小規模薬局に行って解決方法を探しても、
議題があっても深掘りすると全く違う問題を解決する必要が出ます。





今回の議題は「在庫を減らしてくれ」の指示がなかなか解決しない法人の場合。
まずは、在庫を削減する前に現場でする作業が必要なことが表面上に出てきました。

分からない人
在庫在庫言われる前に、山ほど仕事があるんだよ!!!

本社側は在庫率を1、0から0、85にしてほしい。割合で言えば0、15の現象です
もしかしたら現場努力で何か工夫をすればすぐ到達すると思ったでしょう。
しかし、現場はそう簡単に作業は進みません。
進まないから、運営は簡単ではないのです。

結局、この法人は「在庫を0、15削減する」といった具体的目標があったのにも関わらず、
在庫責任者の仕事レベル、割合、在宅への時間配分の変更、発注時間の見直し、
事務作業の仕事負担レベルの増加と多岐に亘り作業にメスが入りました。

本社側は「シンプルに在庫を0、15減らすだけの単純作業と予想していた」

この現場とのギャップ、わかりますか?

これが戦略的経営思考を入れていく必要があります。
トップが薬剤師でない場合、おうおうにして軋轢が生じてます。
それを無くすために、このくじら薬剤師ブログを読まれている方は
経験を積む必要があります。

この戦略的経営方法を今後綴っていきます。
有料級。。どうしよう。。笑

今回の超絶おすすめ薬剤師研修本

・トレーシングレポート主体の業務。薬剤師がチェックしやすいふらつき、転倒可能性のチェックに役立つ内容を網羅。
・意外な薬品が、転倒ふらつきに。その対応を考察がわかりやすく記載されています。
新卒ネコ薬剤師
それより、薬物相互作用の新本が出てるにゃーーーーー!!かなり優秀ですのでおすすめですにゃーー!

 

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