薬剤師業界情報

知らなきゃいけない国の方針2019

経済財政運営と改革の基本方針2019

経済財政運営と改革の基本方針2019 が先日の 2019年6月21日に
骨太方針として発表された。 薬局薬剤師側としては興味がないというのでは
いけないので関係性の高い場所のみのチェックをしておいて、この荒波の薬剤師業界を
生き抜く秘訣にしたい。
個別に見てみよう。

ポイント1 手続の自動化
予防接種や児童手当など、妊娠から就学前までの子育て関連手続をボタン一つで申請
できるサービスにつき、2023 年度からの全国展開を目指す。あわせて、年末調整手続に関して、来年度から、マイナポータルを活用したデータ連携により、必要書類の一括取得、各種申告書への入力・添付の自動化を開始。

公共サービスのインフラ整備は遅いくらいと言われいる。来年から一部の地域でテスト的に施行されるのでそれに期待。日本は本当に不要な書類の提出、無駄な押印、というように押印社会と言われているので早急な改善をして欲しいところだ。

ポイント2 改めて、疾病の予防、介護事業について書かれた
生活習慣病・慢性腎臓病・認知症・介護予防への重点的取組を示唆

生活習慣病の重症化予防や個人へのインセンティブ付与について言及
歯科健診やがん検診等の受診率の向上等については、配点割合を高める、(b)予防・健康づくりの成果に応じて配点割合を高め、優れた民間サービス等の導入

既出の内容だが日本は相変わらず、がん健診の受診率はかなり低い。
2007年6月に策定されている計画がある。もう10年以上も前になるが医療従事者がほちんど把握されていない政策があった。それは、がん対策推進基本計画。この中では、がん検診の受診率を50%以上にすることが明記されており、その流れもしっかりといるのでぜひとも薬剤師も忘れないようにしてもらいたいがアピール不足なのは否めない。
背景には、先進国と言われる国で、がんの死亡率が減少しないのは何を隠そう日本だけ
というデータがある。乳がん子宮頸がんの受診率もなんと半分以下。アメリカでは8割を越えている中、かなりの低位置になっている。

なぜ、国ではかなりの方針組み、政策作りをしておいて、
地域の気軽に行ける窓口、地域の健康サポーターになるように指令をしておきながら
薬局単位で がん健診について言及していかないのか謎だ。
ちなみに、がん健診推進パートナーに登録されると(企業協賛として)
がん健診のすすめの 冊子が今の段階では無料でもらえるので
薬局の待合、 かかりつけでのトークツールとしておすすめではある。

ぜひとも、がん健診の状況を改善する一役を担うのが薬局であってほしい。
薬のこと、雑談、話題、家族のことも交えて関わる気軽な場所が薬局になっているのだ。
情報を患者へサポートしていく場になるべき。
ちなみにあるが がん健診に関しては閣議決定されているような、力のいれようなので
、気にしない、というジャンルではなくしっかりと見ておくべき内容になる。
厚生労働省では「第3期がん対策推進基本計画」で発表され、6年クラスの計画策定をされているのだ。まずは自治体よりも、企業優先での状況改善により一部企業では
がん健診についてのガイドライン、マニュアル作りを先行させている。(平成30年3月より、職域におけるがん検診に関するマニュアルとして発表されたため、頭の片隅においておくべきだろう。)

 

ポイント3 有給の時間取得制度考慮
民間企業において、1時間単位で年次有給休暇を取得する取組推進する

現時点では、半日からの取得制限だが、時間単位での取得可能になる可能性があるが
現状は有給取得消費状況がまだまだ好ましい状況でないため、先にはなるだろうが
時間単位での、取得が可能になる時代が来ているのだろうか。
年に1度は、有給消化率について言及されている転職希望の方がいるが
これはどこかのサイトにも書いてあったと思うが、これを参考にするのは同様に好ましくない。 年内に退職者が出ており、有給を全消化している場合、大幅な上昇を伴うので
あまり参考にされないことを願う。いずれにしても、代わりの聞かない、免許必須である
勤務条件が課される職場にとっては時間単位であってもなくても、有給については変わりの応援が必須の場合は頭が痛い(改善しなければいけないのであろうが)問題なのには今の状況では変わりがない。
有給取得は従業員における権利として、正当なものにはなるが、それでは業務上滞りになるような請求(薬局事業の正常な運営を妨げる場合)はできないので注意したい。薬局のような専門職の場合はかなり目撃する状況にはなる。

具体的には、時季変更権と言い、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。(労基法第39条で定められる)

ただこれは、一方的な運営側の権利ではなく、日頃、有給申請受理の為の運営、ヒト的確保、派遣業務の打診(いつ打診して、何社に頼み、時給はいくらで出したか等の努力采配が判断される)、ヒト的確保の努力状況を労基では判断されるため、基本的には労働側に有利となっているので社長等人事権がある運営部は時季変更権という名前を振りかざして
従業員に過多なストレスを与えないように注意して欲しい。

ポイント4 認知症施策推進大綱は引き継ぐ

この過去の記事でも書いたが、オレンジプランの流れは行なう、これは数年前から
打診されていたため、地域の薬剤師会によってはセミナー、講師、等が入り
積極的導入されていた理由はここにある。 認知症施策推進関係閣僚会議が2019年
6月19日行なわれ、薬剤師としても積極的に治療介入できるように政策が出されたので
これも各薬剤師は忘れず研修会の参加、または従業員への参加告知を行なって欲しい。
これは消えない政策であって、調剤報酬の流れにも汲まれると予想される。

ポイント5 かかりつけ薬剤師は普及させる、オンライン服薬指導も進める

かかりつけに関しては流れが怪しくなってきた、という意見も見られていたが
今回の方針では、メリハリのある仕組み作りにも言及していることから、
各薬局では引き続き、かかりつけ算定に関してきちんとした対応と作業を行ない
算定をしていかなければいけないのは間違いはない。オンライン服薬指導に関しても
来年である2020年にはシステム構築からの実施が見込まれている。2022年目安で健診内容等をオンラインでのデジタル情報の蓄積も見込まれていることからこの数年で一気に推進化が入るであろう。

今回の政策では 幅広の内容だったため、医療薬局事業への言及はそこまでないが
一時的に、かかりつけ に関しては情報が減少したが再度上がってきた、という面では
非常に重要な政策発表だった。

かかりつけ薬剤師。 算定していく薬局が生き残る政策だろう。

 

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