薬剤師業界情報

薬局機能情報から

薬局機能情報の報告の時期になった。

昨今の調剤報酬改定の複雑さ、多様化において
過去は現場薬剤師はこういった本社本部作業等は任せっきりで
内容も把握していなかった(しなくてもよかった)背景があるが
ここ4年で、現場薬剤師でも周知徹底しておかないといけない時代になっている。

薬局機能情報は、概略からすると、

1.一定の薬局情報、薬局が所持する機能、
2.患者から相談できる内容状況
上記2点を
インターネットで誰でも閲覧できるようにするシステム。
各薬局は都道府県に報告する義務があり、
ご自身の薬局は報告を拒否することができない。
ちなみにこの情報によりMAする薬局、
地域における処方箋状況などを考慮している
運営部隊も勿論存在している。

平成29年、10月から改正が出ている。
これは調剤報酬改定における背景も盛り込んでいる。
政策施策は網目のように巡らされているので
こういった報告から将来を見据えた薬局運営、利益向上を目指す必要がある。

では2017年10月の薬局機能情報改正内容を復習する。

改正での注意点は以下になる。
この以下のポイントで、自分が勤務する薬局で
報告が0または無、処方枚数に対して限りなく少ない件数の報告が
ないようにしなければいけないので一つずつ注視しておこう。
現場の薬剤師が外来の合間で急いで行う報告。
内容を精査しないのは今後の調剤報酬改定において以下の内容が
薬局機能として地域支援を行っているのか、がベースになるのが
もう垣間見えているので絶対に読み解くべきなのである。

[chat face="man5.png" name="" align="left" style="type1"]以下のポイントはとても重要!![/chat]

副作用等に関する報告の実施件数
医療安全対策に係る事業への参加の有無
副作用等に関する報告の実施件数
医療安全対策に係る事業への参加の有無
患者満足度調査の実施の有無
健康サポート薬剤師研修を受けた人数
麻薬調剤が可能か(要麻薬小売業免許)
電子お薬手帳等の利用
プレアボイド報告の有無(ヒヤリハット登録は必須)
重複相互作用等加算算定Aの数の算定アップ
地域フォーミュラリーの導入の有無、
薬剤師主体での薬剤選択治療の有無
在宅は引き続き行う
患者の服薬状況等を医療機関に提供した件数
(これについては、服薬情報等提供料算定していなくても可)

他にもあるが、概ねのポイントは上記に渡る。
いずれにしても、

副作用報告をしているのか、していないのか、
ヒヤリハット報告(ただし未然に健康被害を防いだ件数)の件数
これは引き続き注視されているため、積極的に報告、
または疑義紹介における算定件数の増加をしなければいけない。

次点の、
患者の残薬や服薬状況を処方医に報告しているのか
(これについては服薬情報等提供料を算定していなくても、
(薬歴または算定書に記入してその書式を保存してお)件数としてカウントされる。)
これであるが、算定をしようがしまいが、残薬や服薬状況における内容を
Drに提示しているのであれば件数としてカウントされていくのでまだ
していない薬局はしてみてはどうか。
地域によっては、服薬情報等提供料算定書では、長く、処方医が見ない傾向に
あるということで、服薬状況のみに焦点を当てている場合、非常に簡易的な書式
で提出している地域があり、処方医にも好評なようだ。

健康サポート薬剤師の資格は今後は必須と考慮される。
当たり前の流れであるが、健康サポート薬局の申請は驚くほど
少ない。日経Diの記事にも書いてあったが、標榜条件における
費用対効果が中小企業では見出せないのが現状にある。しかし
今後の薬局分化(地域支援体制を行う薬局、高度な知識型の薬局、それ以外の薬局)
と分化していく流れを予想していくと、各街薬局薬剤師は、取得条件があるので
あれば、ぜひ健康サポート薬剤師の資格を取得しなければいけない。
まだ全く資格について調べていないのであれば、急ぐべきである。
地域によっては年に数回しか実施していない実地研修がある。
それは場所により1日缶詰で行う地域、2日に連続してまたぐ地域と多種多様。
また健康サポート薬剤師はその県における資格の為、異動、転居における場合は
再度Eラーニングを除外した実施研修A(4時間)を再度履修しないといけないという
理解困難なシステムなので注意されたい。

この上記における、研修会Aが、
自らが勤務等する薬局が所在する地域の地域包括ケアシステムに係る研修を受講すること
に該当するので、たとえ現在の県で健康サポートの認定証を持っても、
再度県における研修会A(年に数回)に参加しないといけない為、県を超える異動や
薬剤師確保困難に拍車をかけている状況だ。

地域フォーミュラリーの導入の有無、薬剤師主体での薬剤選択治療の有無
これは現状では地域のモデル地域があるので中小規模の薬局はまだ
急いで行うものではないので情報を待ちたい。

かかりつけの件数について明記されていなかったのが予想外だった。
この薬局機能報告は、焦った薬局もあるのではないのか?
2020年までにはこれらの報告数をあげる為な勤務もしなければ
いけないのを念頭に。気になるのが、服薬状況における報告件数だ。
勿論患者の同意は必須がベースになるが、重複相互作用等加算Bにおける
残薬調整数ではなく、残薬を含めた服薬情報なのでそれとは区別して
どうにか日々の繁忙な作業の中、打診できる医師へ報告したい。
場合によっては受付預かりになる場合もある。
何か多方面で手を打って、他職種関連で噂になるような薬局(良い噂)
にしていくのが急務と予想される。

幾度となくこの薬剤師ブログでは薬局のあり方は、
患者の為の薬局ビジョンをベースにしている、と書いてきた。
この上記の内容をベースに日々の運営、点数、算定を心がけるのがポイント。

そして患者の満足度調査。
これに関しては、中小規模の薬局では調査した薬局は
ほぼ0ではないのか。大手の薬局は2016年あたりからきちんとこなし、
会社によっては公表されている。
ただ単に、満足度としての調査ヒアリングを行う場合、
地域特性等により、マイナス評価重視になりやすいので
必ずヒアリング調査においてはマスク調査ではなく、
いわゆるすでに良好な関係ができている患者において調査されるのが望ましい。
その点において、大手は かかりつけ薬剤師算定した患者対象に満足度調査を
しているので、さすがブレーンが多い運営部は一味違う、と行った印象だ。

しかし満足か満足でないのか、というクエスチョンではなくて、
かかりつけ薬剤師に何を求めているのか、
薬局に何を求めているのか、が如実に現れるのでぜひ一度行って欲しい。
来年の薬局機能報告で、再度調査したか案件が出ると思う。
調査2年連続、0では集計側もどう思うだろうか。
予想は安易にされるのではないか。

ただしほとんど全ての欄が自由記入欄になっている場合、
書くほうが疲弊してしまうのである程度の選択式クエスチョンを入れ、
最後に自由記入欄を設けるのが正しい。

 

 

 

 

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