薬剤師の98%が知らない薬局運営術著者の、くじら薬剤師です。昨今の調剤報酬改定2020、410対応、郵送業務でかなり多忙疲弊されてると思います。しかしそのような混沌とした業務の最中でも薬剤師の薬歴は日々更新してます。薬歴システム、タブレット投薬。更新はしたいが内容がわからない。薬歴ほど、時間がかかり場合により非効率な業務体制になってしまうものはありません。さて、そんな中ここを押さえておこう薬歴ポイント簡易バージョンを今日はブログに書いていきます。薬学的観点の薬歴、詳細な薬歴とはまた別な観点である効率的でポイントを押さえた薬歴指導を復習しましょう。
ポイントを押さえた薬歴で時間を短縮
こんな薬剤師へおすすめ記事
・日々薬歴業務に追われている
・思わず、『変化ないです』等の類義語をSの該当欄へ記入してる
・詳細な薬歴でなく完結でポイントや指導を押さえた薬歴を描きたい
・効率が最上
・エッ??副作用について明記していくの?
・服薬指導計画って何?そんなの薬歴へ記載しなければいけないの??
・もうSOAPじゃなくていい
薬歴は、薬局業務におけるウエイトはかなり高い内容。薬局新規開局での指導、その後の個別指導、地域によっては社保と地域薬剤師会セットによる簡易的な薬歴指導講習会があります。薬剤師として避けては通れない個別指導。ルーズな薬歴、ご自身が薬歴を記入する上でもし『ああこれもう面倒だからこんな感じでいいや』、『前回継続問題なし』等のルーズで変化のない薬歴を書いていますと・・ごっそり1年分何かの点数において個別指導では返戻を求められますのできちんと行っていくことが重要です。
その為会社規模によっては薬歴にかけるウエイトがかなり異なっており、小さい会社から大手に転職した際に大手のルール決めの多さに驚愕する薬剤師の転職者が意外と多いのも事実。今自分には目の前の薬歴作業しか関係ない、そのように思っていてもいつ大手にMAされるかわかりません、また今後いつ転職するか分からないのです。年齢を重ねて行った時にご自身の薬歴記入スタイルを変化させていくのは難しいものです。今一度、薬歴について再度注視されることをオススメしています。
薬歴記入は会社、企業によってルールがかなり異なるが基本を抑えること
薬歴は日記ではない
薬剤師業務における薬歴は、ダラダラとその投薬現場で生じた内容を文章で綴り、考えを綴る日記ではありません。薬物療法におけるアセスメントを時系列(これが2018年ごろから流行していますよ)で記載し、相互作用の確認、副作用を投薬の度にチェック、また検査値における異常値を見ていくこと、さらに残薬のチェック、生活状況の詳細な把握をいう患者の生活背景における俯瞰的なアセスメントを記入していくのです。ある時期からSOAP形式というのが全国的に流行しました。投薬は次回誰が投薬するか不明、では誰が見ても一元的に流れがわかり、把握しやすくされたのがSOAP形式の薬歴になります。
しかし薬剤師業務が多岐にわたり変化していく中、薬歴への記載がSOAPのままというのが疑問です。 SOAPが便利で転職や異動が多い薬剤師業務の中、流行し広がったというのが背景なだけでSOAPで記入する必要は法律で決められているわけではないのです。
はてな
そもそもSOAP形式って何なのか
SOAP.知ってるようで知らない。 SOAP。まるでPPAP.ほんとのあなたの薬歴はSOAPで記載しているのでしょうか??
step
S患者自身の主訴、主観情報を一元的に記載する
step
O検査値、医院の検査情報、服薬背景の客観的な情報
step
A薬剤師の考察を記載
step
PPはプランの略です。そう、Plan(計画)
でもプランって数年前の調剤報酬改定であれが記載されましたよね。
あれって何?
薬歴には服薬指導計画の記載が必要なので忘れないこと!
服薬指導計画を忘れた人はこちら
-
薬局のあり方その4
薬局のあり方その4 です。 今回は前回までの1~3の継続シリーズ。 薬局のあり方その1 薬局のあり方その2 薬局のあり方その3 厚生労働省が示している 薬局における対人評価項目の骨組みにおける上記項目 ...
続きを見る
服薬指導計画は必ず薬歴へ記載しましょう。薬局における対人業務の評価項目において薬局薬歴への記載において服薬指導計画は盛り込まれいます。
次回の服薬指導計画を薬歴へ追記する。忘れないようにされてください。
Pにはおおよそは投薬した内容が記載されている場合が多く、それも間違いではなく指導で指摘される内容ではありません。そもそも、SOAP形式で記載しなければいけないルールはないのですから。最近の薬歴の指導内容では個別医薬品における副作用確認がかなり重要なファクターになっています。たとえ、永遠とカルシウム拮抗薬や湿布が出ていたとしても、その医薬品における種々の副作用の何が、ないのかを明記しなければいけません。
薬歴注意
副作用については出た場合に記入ではなく安定している場合でも何の副作用がないのか、を記入
医薬品の副作用対策における厚生労働省の動きが数年前から出ています。副作用被害対策救済制度。厚生労働省から地域へ、地域から県へと流れています。そのため、薬歴では副作用の確認をきちんと行っているかについて最近の指導では細かく突かれています。薬歴では残念ながら内容が記載されていないのであれば未確認なんですね、という流れになります。
そのため、きちんと患者が不安にならないように流れで副作用の確認を定期でしていくことが大事。毎回毎回薬の副作用を確認されると(そして機械的に。)患者も不安になり服薬拒否に繋がります。新規の医薬品を投薬した場合に副作用を打診していく慎重さは皆さん憶えがあるはずです。それくらい慎重にさらっと軽度の副作用確認をしてください。もちろんこれには信頼関係が必要です。あなた自身も見ず知らずの薬剤師に矢継ぎ早に副作用のチェックをされたり、残薬の確認をされたりするとムッするはずです。かかりつけ薬剤師における薬歴の記載が厳しいのはここに理由があります。
服薬指導計画は流れが大事
服薬指導計画は毎回毎回変更する必要はありません。薬局によっては毎回変えている場合もありますが骨格がありそれについて追って薬歴を記載することで問題はありません。例えば、高K血症における副作用の確認。これを計画にとっていれば各種の自覚症状を次回以降の薬歴へ記載していくことが大事。他には、高Mg血症について。これも同様の確認ができるでしょう。 肝機能への負担であれば黄疸、高熱、だるさ等。白血球への異常値であれば・・と多岐に渡ります。
ここでの服薬指導計画における効率的かつ指導でも褒められる内容は、副作用確認の服薬指導計画です。これであれば、必然的に計画へ副作用におけるプランニングされているわけですから次回以降の薬歴内容は副作用確認の内容にもなり最近の薬歴ルールにとって非常に好ましい内容でもあり、一元的にわかりやすい内容でかつ指導対策、そして書く内容もボリュームが増えるでしょう。
メモ
・服薬指導計画の記載を忘れない
・毎回違う計画を立てる必要はない、ポイントは流れ。
・副作用については毎回薬歴記載で都度内容を確認して記載していく(かと言って毎回患者へ副作用がないかばかりをヒアリングすると服薬拒否につながった事例がある
・服薬指導計画は副作用における確認でも良い
薬剤師は情報化社会です。情報を更新して行かなかればいけません。是非とも書籍購入して薬局においておくべきです。あなた一人が薬歴記載を現状のルールや流行にのっとても意味がありません。薬局はチームなのです。皆で情報を共有していくこと、さらに復習も中堅薬剤師は大事。リターン薬剤師、一人薬剤師、パート薬剤師。薬のプロフェッショナルとして勤務していくのであれば書籍は必須です。おすすめをここに紹介しておきます。
誰も教えてくれなかった実践薬歴は病院薬剤師にもおすすめです。2019年発売ですが情報としては多岐に盛り込まれており大事な内容です。薬局へ1冊必要と思える内容。基本の考え方をこちらで学び、次に紹介している薬歴の書き方で、記載を学んで見ればと思います
以下の書籍の方が薬歴記載についてわかりやすく書かれています。上記の実践薬歴をベースに、記載は以下の方がわかりやすく書かれています。
2020年に発売された薬学管理はおすすめの薬剤師書籍です。情報も新しいですがこの書籍はパート薬剤師や比較的勤務日数が浅い薬剤師へのおすすめになります、情報が基礎の為改めて基礎から学ぼうという薬剤師さん、新卒薬剤師には大事な内容でしょう。
続きは次回。次回効率的な記載を記入して今日はここまでにしましょう。
次回はこちらになります。
-
薬局薬剤師が持つべき現場知識を紹介
くじら薬剤師は、おもに中小規模のレベルの薬局薬剤師さんと主に西日本で一緒に働かせていただいています。(派遣ではありません) おそらくですが200人以上の薬剤師と一緒に働いたと思います。 地域によって様 ...
続きを見る