薬剤師薬歴の動向と復習2020 その1の続きのその2 バージョンになります。前回までは服薬指導計画について、またSOAP形式について記載しました。今回は主題であった薬剤師薬歴の動向と復習2020の冒頭にも記載した、いかに効率を重視してポイントを押さえた記入にしていくか、また最近の動向とポイント復習についても記載していきます。何度も言いますがこのブログ主題の主旨は、効率的であって薬学的等の詳細薬歴ではないのを念頭にお願いします。
効率薬歴をインフラ(新規薬歴ソフト導入)に頼らず記入をしていく場合、お勧めする薬剤師ブログです。
ポイントを押さえた効率薬歴の復習
薬剤師の98%が知らない薬局運営術のブログの今回の内容で重きを置いている点は、いかに効率的に薬歴を記載していくか、です。薬剤師により様々なご意見もあろうかと思います。しかしここで記載していくのは効率化です。また薬歴システムのハード面によるある一定の効率化もできますがここではノーマル薬歴システムでの記載、という背景で考えていきます。もし効率化以外で、薬歴記載を考慮されるのであればぜひとも書籍の購入を人薬局1冊購入されることをお勧めしています。
個別指導ではもうお馴染みですがまだまだ指導されていない地域もあると思いますので、以下に再度再掲します。その内容は、お薬手帳へ投薬時のポイントをさらに簡易的に手帳へ記載する、ということです。
ポイント
お薬手帳にも簡易的な投薬ポイントを記入しなければいけない
突っ込まれまくるDo処方、残薬なしの表記
さらに、過去の再掲ですが薬歴ティップスの復習です。Do処方が続く場合でかつ、永遠と残薬なし、という表記を薬歴システムで転機を自動でワンクリックでさせている場合。かつ処方単価が1万円を超えてくる、または1万2千円程度を超えてくる処方については残薬の明記について厳しめに打診されます。残薬についてよく突っ込まれる処方を再度チェックしておこう。
残薬について突っ込まれる処方はこれ
ポイント
・食前(または食直前処方)と食後処方が混在しているもの
・食前と食後の処方があり分6以上の服用になっているもの
・シップ、ビタミン剤が漠然と継続して出ている場合
・粉の混合製剤、整腸剤等が継続して出ている場合
・眠剤と頓服、等でリスク管理の高いもの
残薬については過去は残薬なし、等であれば記載しなくてもいい(グレー表記ですが)時期がありましたが、現在は医療費抑制をなぜか薬剤費から削減していくという難解な方針が出たため、比較的厳しめに打診される流行です。具体的には、残薬については医薬品名および大体の残薬の数量について薬歴へ記載していかなければいけません。もちろんですが、残薬の理由についても患者への意向が同意されていれば手帳へ残薬の医薬品および数量を記載して良くなったのが2020年の調剤報酬改定です。
はてな
お薬手帳へ、残薬の記載が求められたのが2020年調剤報酬改定
令和2年の調剤報酬改定にも記載していますが、残薬についてはお薬手帳への記載は明記されています。ただし、本人の同意が必要であることは必須です。薬歴ソフトによっては残薬、といった形で備考欄またはそれぞれの薬品ごとに残あり・なし、まで対応している会社があります。これはとても便利だと思います。ご自身の薬局で残薬についての表記明記がない場合は一時的ですが残薬一切なし、のハンコスタンプを作成し手帳へ押印するのもありだとは思いますがこれは患者にとってどう映るか一回ご自身の薬局で相談されることをお勧めしております。(概ね残薬はあるものです)
お薬手帳への薬局名(普段利用する薬局名の記載)は、患者自身で記入する必要がある為薬局側で記載してはいけません。過去の調剤報酬改定2020のQAで既出になりますが薬局名を記載したシールを薬局側が自発的に貼付することも認められていません。現段階で認められているのは、薬局名が空欄のシールであれば譲渡可能なのでこのあたりは十分に注意しましょう。これは2021年4月1日からです。促すことが必要。促す、のがポイント。
ポイント
薬局名と薬局または薬剤師の連絡先をお薬手帳へ記載する。この適用は2021年4月1日。
調剤報酬改定2020年で不安な点がある場合は書籍を購入しておきましょう。この2020春の時期はアマゾンで1位になっています薬剤師オススメの書籍になります。くじら薬剤師の過去のページでも流れ等はしっかり記載していますので過去の流れをよく読んでからでないと昨今の変化に富んだ調剤報酬改定の内容は理解できなくなってきていますのでこのブログの過去内容も合わせて読まれてください。
さて本題である効率薬歴をスピーディー、内容も羅列して復習しましょう。このブログはかなりハイエンドPCで見られていますが自宅に帰ってもスマホでも見れますのでぜひお気に入りブックマークへ登録をお願いします。
前回その1でも記載したのですが、薬歴の考え、重視についてはこの実践薬歴をオススメしています。
効率薬歴の復習
step
1薬歴表紙記載の基礎項目の更新頻度が重要
それぞれの薬歴ソフトには、薬歴表紙を印刷するという項目があります。その印刷される項目については必ず指導項目の基礎になっていますので定期的な更新が必要となります。忘れやすいのが住所。更新頻度ですがそれを聞かれる地域があります。これに関しては大きく賛否両論がありましたが厚生局としては定例定期的な簡易住所の確認は求められたので確認時期を更新できるようであれば、更新しましょう。薬歴の基礎項目またはメモ、事務側が入力できる箇所へ住所確認済(20**年*月)と記載されてください。これは毎日するというわけでなく、(永遠としていたら大変です)住所ヒアリング強化月間区間を作成し、IME等を利用してすぐ事務が入力できるようにし(ショートカット入力作成)手間じゃないようにしましょう。手間じゃない、それが大事です。
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2基礎項目は必ず充実させる
患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向の欄になります。ジェネリック不可の場合はその理由を記載する必要がありますし、一度不可としたのにジェネリックを処方している場合、この基礎項目を突かれた場面も見ています。後発品使用についても積極的な利用推進が目的は明確な為、指導でも追求されるのできちんと記載、更新されてください。ジェネリック使用可能であれば可能、と記載するべきなのです。
アレルギー歴等の記載ですが、何回も記入しますが空欄は未確認と判断されます。その為、過去抗生物質アレルギーなし、食物アレルギーなし、卵牛乳アレルギーなし、等の なし記載が必要なので忘れないように。 もう一度記載しますが、何がない、のかを記載するのがポイントです。
空欄は不可
何のアレルギーがないか、を記載するのが好印象
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3生活習慣はかなり突っ込まれる
意外と記載されていない生活習慣。これは指導で見られます。
メモ
・食事回数の明記
・高所作業、車の運転有無
・飲酒ありなし、果汁ジュースの頻飲有無
・患者背景の特異的な内容(薬は家族管理)
・患者家族背景など
食事回数が2回なのに、1日3回毎食後の薬が出ていた場合どういった指導をしたか・・これも過去の個別指導の内容です。睡眠や運動歴なんかは薬品における副作用が出やすい場合はどういった内容で指導したのか、に注視されます。必ず患者背景や生活習慣は記載するように。
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4健康食品、OTC併用をルーズにしない
併用していないのであれば、していない旨を記載してください。これも確認が数年前であれば、きちんとした定例確認が必要になっています。
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5お薬手帳欄がある場合
手帳利用不可、であればその理由の記載(出先で常備できない為等)、忘れが続く場合はどうやって対応したか、を定例で明記されてください。過去の驚いた指導ですが、調剤録のお薬手帳は忘れ、算定点数なのに薬歴では持参算定をしているのが多発していた薬局があります。これに関しては無論後半の指導ではかなり詳細に突っ込まれていました。ポイントは法令遵守、適切に丁寧にやっているかその姿勢を判断されます。
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6今更ですがハイリスクについて
ここではポイントしか記載しません。ハイリスクに関してですが該当医薬品のハイリスク算定が傷病名と合致していることを忘れないようにされてください。頻出していますが例として、β遮断等でレセプト名が把握できなければハイリスク算定はされないようにしましょう。ハイリスクは、地域の薬剤師会が躍起になり現場薬局をバトルしていました。理由としては毎回の100%ハイリスク算定に関しては疑問視した為です。しかし、薬局薬剤師としてきちんとした薬歴記載、相手への副作用確認を行った上での算定を行っているのであれば算定はしておきましょう。
ハイリスクでは全ての項目を網羅して記載する必要はありません。ポイントがあるのです。ハイリスク算定し、薬歴を記載した場合その内容も流れを作っていく、またその中にも計画を立てていくことが最重要になります。注射部位の確認、穿刺について、睡眠状況の詳細など。一連の物語のような(前回から。)薬歴が大事になってます。
ハイリスク算定ポイント
・特定の品目に絞って、自分なりの言葉で書く
・副作用について数個注意して確認しておければなお良い
・前回のハイリスク算定に関して、内容を踏まえて記載する
・ハイリスクの項目を全てコピペワンクリックで記載するとアウト
・ハイリスク薬算定にも計画を記載して追っていき網羅していくと良い
・副作用なし、の漠然としたはダメ(何がないか記載する)
・血糖値関連で、低血糖なしはダメ(低血糖症状の何がないかを記載する)
・漠然とした内容でなくやや突っ込んだ内容であれば2行程度のハイリスク薬歴記載でも返戻にならない
・適当にやってるね、と思われると1年分返戻に間違いなくなる(個別指導)
最後にですが処方箋検査値における疑義照会の作業が発生しているでしょう。不安であれば書籍を購入してしっかり復習、勉強しておくことが大事です。薬剤師書籍オススメ2選を選んでいます。ぜひ参考にされてください。腎不全の書籍はこの前新刊で出たばかりです。一歩踏み込んだ内容になっており非常に勉強になりますからぜひ購入されてください。透析での薬物療法、CKDの基礎、腎不全での薬物治療設計とかなり勉強になるのでかなりオススメしていますよ!
購入かなりオススメ!
検査値で不安な薬剤師へ
続きは次回、くじら薬剤師ブログへ・・。
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