吸入薬指導加算の算定開始は2020年。薬剤師が算定できる診療報酬として、過去は同程度での薬局投薬作業でも無料の診療報酬だった内容を点数付けされ薬剤師としてのインセンティブとして大きな一歩を世に踏み出した形となったのです。そんな吸入薬指導加算の解決術、他の薬局はどうしているのか、算定における薬局での作業は?実務に伴う解決術をくじら薬剤師のブログで照会していきます。シムビコートの処方量がダントツで高いのでシムビコートの服薬指導についても後半触れています。
まずは吸入薬指導加算の復習
-
薬局の吸入薬指導加算まとめ
2020調剤報酬改定新設吸入薬指導加算のまとめ くじら薬剤師です。昨今の調剤報酬改定は新たに薬局側で自発的に算定できる内容が増えました。 2020年調剤報酬改定で注目の吸入薬指導加算。吸 ...
続きを見る
もう一度まとめの復習しましょう。吸入薬指導加算
2020年に新設された吸入薬指導加算。算定できている薬局企業さんと、全くしていない薬局と二分されています。(主受科によるようですが、面で受けているなら胸を張って算定されてください。一部の医院で算定に関して文句、憤りを打診されている医師もいる情報があります。が、医療は保険ビジネス。算定に関して疑問があられても薬局が批判を受ける義理はありません。薬剤師が皆で算定数を増やして実績を上げていくしかないのです。(厚生労働省は算定数を追っています)
点数と注意事項
30点。かかりつけ薬剤師算定患者および服薬情報等提供料との同時算定不可。
吸入薬指導加算ポイント
調剤報酬改定2020年から開始
患者の同意および医師の指示は必須
算定タイミングは、初回および3ヶ月に一回のみ。
指導内容は、どの吸入作業がどうネックなのかを判明させる
レセプト病名は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者のみなので注意する
メモ
・吸入できた、できないだけの報告ではない
・キャップの開閉は自力でできるのか 息吐きの動作はできているのか、呼吸は止めているのか、
薬がなくなったことの判別はできるのか等を報告する
・つまり、吸入薬指導加算は 動作タイミングのチェック確認も合わせて必要
ココに注意
・報告内容はお薬手帳への添付でもいいが、紙による報告を求められる場合もあるので医院に報告形態はどうすればいいか聞いておきましょう
吸入薬指導加算の参考書籍はこれのみ
基幹病院、地域病院における吸入薬指導における動作確認の作業テンプレートはこれを参考にされて作成したものになります。厚生労働省はこれのみを参考にすることと記載されていますので地域病院、基幹病院での吸入薬指導加算におけるテンプレート報告レポートを見直される方はこちらを参考にされてください。
このテキストは最後に消して下さい(70%)言わずとしれた皆が所持する基礎からの検査値の読み方。検査値処方箋はもう地方によっては当たり前。検査値から疑義照会、処方提案。初心者やブランク薬剤師さんでもわかりやすく丁寧に解説されていますからとても参考になります。まだ購入されていない薬剤師は、ある日の業務で焦らないように購入しましょう。
おすすめ度
いっぽさらに踏み込んで検査値について学習したい薬剤師さんへおすすめしています。研修題材としても企業に盛り込んでいる書籍です。この書籍は検査値だけのアウトカムでなく図解入りでなぜそうなるか、また病態の基礎も挿絵が入っていてとてもわかりやすく勉強になりますよ。
おすすめ度
吸入薬指導加算は医師、医院へどう報告している??
気になる他の薬局は?
吸入薬指導加算の流れを簡易的にチェックしてみよう。
吸入薬指導加算のチェックシスト
- 喘息かCOPDなのか把握している
- 備考欄に、吸入薬指導と記載されてる
- 処方元と一度吸入薬指導の報告と指示について打ち合わせができている
- 打ち合わせができない状況の処方元であれば一度電話で疑義照会する
- 初回か3ヶ月に一回なのかチェック。かかりつけ薬剤師算定はしていないか。服薬情報等提供算定を同時算定ならそれを優先すること
(注:服薬情報等提供文書はおそらく前回記載されているはずです。その内容はしっかりと点数に反映すること。)
なぜ服薬情報等提供文章が大事がここで分かる-
今更効けない2020年改定に向けた動きと2019年の流れ
令和2年、いわゆる2020年の調剤報酬改定が近づいてきた。 だがスポットで資料を読んでも流れを把握できないと思うので 調剤報酬改定とその流れを近々の資料をもとに、大幅にまとめ 短い時間で情報のシャワー ...
続きを見る
絶対読む-
服薬情報等提供料での提出後の流れ
処方箋検査値から疑義照会、服薬情報等提供料の算定、 かかりつけ業務等で、検査値について考慮すべき業務が格段に 広がりました。腎機能に伴う、疑義照会が格段に増加しています。 ここで服薬情報等提供料(20 ...
続きを見る
- 薬歴には、きちんと吸入薬指導加算の内容を全て記載する。次回の薬歴では指導の結果、どうだったか必ず記載する
- 指導内容を手帳に添付する、または速やかに医院へ提出する
- 提出の場合は毎回出すのか、期間を決めて出すのかも医院へ確認する
病院の吸入薬指導加算の指導せんも利用しよう
シムビコートの処方量と問い合わせがあまりにも多いので企業側が指導せんを作成している場合もありますので各製薬会社のホームページから検索されてダウンロードされてください。(ここでは転載することができません)
各病院のそれぞれの吸入指導のチェックシートを参考にしましょう
群馬県県薬剤師会
それぞれの製剤におけるデバイスの詳細が記載されていてかなり使い勝手が良好です。
群馬県薬剤師会の吸入薬指導詳細資料はこちら
驚きは2回目以降の吸入指導のフローまで記載されていることです。
メモ
参考にしたい吸入指導
それぞれの製剤に応じた指導のポイントがあるから一度印刷しておいて、薬局で投薬台に置く、などしてみましょう。
写真付きでわかりやすい。かつ、指導せんもあるのでかなり使えるサイト
QA付きですし使い勝手がいいです。
この資料の詳しくはここ
結局、吸入薬指導加算は手帳で報告するのか、紙媒体にするのか
お薬手帳は電子の場合もありますし次回医院へ忘れることもありますから、上記のように別で印刷して医院へ郵送等を行なっている地域が多い印象です。それも毎日送るのでなく、定期で時期を決めたりされています。一方で紙では負担なので手帳へ、と言われていた地域もあります。つまり臨機応変に医院へ聞くパターンがいいでしょうがDr側からしても「その加算何?知らないけど」というレベルなので説明を怠らないようにしましょう。この場合は手帳へ記載しておきます、が良好なパターンです。
吸入薬指導加算は一度作成すれば使えますから、時間のあるときに整理しておきましょう。
薬剤師が定期チェックしているm3
サイトです。登録して出遅れないようにしましょう!
薬剤師は情報戦です。知らない情報が多いと、勤務できません。
薬の内容、医療動向、病態。ぜひ登録して定期チェックされてください。
薬剤師の転職もM3を一番おすすめしています。
ぜひとも登録されて、薬剤師業界も把握されてください。
一緒に頑張りましょう!