生涯学習自己診断表。なんだこれと思われた方も多いのではないでしょうか?2019年の3月時点ですが、薬局薬剤師全体に意外と知られていないことが把握し、日本薬剤師会から地域の薬剤師会へ生涯学習自己診断表の詳細な記載を求める指示がいきました。同時期に地域薬剤師会から各薬局へ、この「ほとんど誰も把握していなかった薬剤師生涯学習自己診断表の記載通達」が行きましたのは非常に記憶に新しい内容です。
くじら薬剤師って?
こんにちわ。この薬剤師ブログを書きましたくじら薬剤師です。
大手薬局チェーン経験後、医療過疎地域での苦労した薬局運営を体験後に中規模薬局チェーンへ転職。小規模の薬局運営と、運営組織力の向上、薬剤師のヒト的問題の解決、小規模薬局の独自運営をサポートし広く活動中。小規模の薬局運営のコツと方法を力強くサポート。転職が多く困る法人からの相談後3年離職率がほぼ0へ。全ては人の問題です。運営で困っておりましたらお気軽にお問い合わせから相談されてください!薬局MAなど薬局譲渡、売却先を考えておられる方も相談されてください。薬剤師転職相談も承っております。ツイッターもフォローしてね!
生涯学習診断表とは
生涯学習自己診断表は、薬剤師研修手帳にある自己診断表をもとに作成されています。旧来の、手帳にあった自己診断表は、認定申請や更新時でのチェック時ほとんど活用されていない(というか内容も見たことがないという薬剤師が多かった)という背景があるのでこの2019年から作成された比較的新しい自分向け、および薬剤師会における研修プラン作成目安のものになります。
生涯学習診断表とは
- 薬剤師会が地域の研修会不足の判断ツールとしても使う。
- 建前はあくまで自分の学習度合いの認知だが、地域の研修具合の判断材料。
- 適当に点数は絶対つけない事が重要。成績表ではない。
- 提出時には控えを残すようにしましょう(返却されない場合あり)。
- 認定薬剤師申請時に必要な書類。未提出は審査保留に。
実はこの自己診断表は2018年は認定申請時における提出項目としても考慮されていました、あまりの認知度の低さを考慮し経過措置とされていた内容でした(提出は、必須ではなかったのです)
しかしこの2019年4月1日以降の認定薬剤師更新にあたっては一新され内容を肉付けして 生涯学習自己診断表として、認定薬剤師提出に伴って要提出となった訳である。
これは各個人に割り振られた学習達成プランとその進捗具合の自己管理表の為、たとえば認定薬剤師更新申請において、全く達成しない度合いが(むしろ計算次第ではマイナスなのでは)あるものがあっても、現時点では申請更新にあたっては何も差し支えがありません。
・ 薬剤師の能力を見られているわけではありません
・ 薬剤師会がどの領域の研修をする必要があるのか統計中
・ 適当に記載は絶対してはダメです
生涯学習自己診断表に自分に関係ない項目があるけど?
たとえば、医薬品開発行政の流通に関しては街薬局にはおおよそ関係ないものかもしれません。その為、業務で必要な割合は個人によって意識の差があるとは思うのでこの場合、低い点数の記載になるでしょう。副作用被害救済、GE使用は重要度が高いかもしれないが優先度としては時と場合により低い薬剤師さんもおられると思います。
また、各項目における達成度も、被害救済制度そのものは知っているが実際の流れは不明瞭な薬剤師もいるだろうから数字的には低くなってしまう。それでも、認定薬剤師の更新という観点から、点数における更新拒否にはつながらないので安心されてください。
適当に点数はつけない、あくまで目安ですが見本もある
点数のある程度の記載ルールがありますので再度復習しましょう。
業務上必要度の点数とは
・ 業務上最も必要な項目であれば、 10点。中程度の必要性であれば5又は 6点です。ほぼ必要がない場合は1点。
・
この業務上の必要度は、 自分自身で判断して点数を付ければよいのです。
現状達成度とは
・ 十分に学習していると考える項目であれば、 10点
・ 学習すべき内容は時間の経過とともに変化しますので、現時点で は10点でも、将来は5点になることもあり得る
・ ほとんど学習していなければ1点 になります。
この現状達成度も、 自分自身で判断して点数を付けていっても全く問題なく、他人と比べる必要は一切ないのです。
認定薬剤師は3年おきの更新になります。何も考えずこの生涯学習自己診断表の適当な点数付け、そのままコピーで再利用などは絶対にしてはいけません。
これも薬剤師業界の国の協議会でのアピール資料ともなる訳である(抽出されています)
これは自分用の目標シートとなるのもあるが、実は薬剤師会によって必要な勉強会の選定、選出優先度をチェックしています
地域によってみられる必要な内容、勉強会をこれをベースにして今後の地域薬剤師会の勉強会の選出となるのであまり適当な数字で記入しないようにされてください。
ココに注意
生涯学習自己診断表は、薬局薬剤師の実務直結の内容ではなく、幅広い「薬剤師業務」としての分野別習得レベルの把握
分野別の習得具合の把握になりますから、薬局薬剤師としては思わず、病態、薬理作用、相互作用などに思わず注視してしまいがちですがそういう訳ではありません。 あくまで大きな分野を区切った、薬剤師としての習熟度の把握。それぞれの薬剤師業務は実務内容により必要な項目が異なっています。それを統計的に薬剤師会も確認しているのです。
生涯学習診断表は活用しましょう
おおよそこの生涯学習診断表を初めて見た、という薬剤師が多いと思われるし、薬剤師会からのFAXで面食らったメンバーもいると聞くが心配はありません。素直に自分が現段階で判断する、今の段階で自分が思うレベルで記入していけばいいのです。
くじらブログ筆者としては10段階評価で査定していくことが気になる(6と7の差はあるのか、7と8はあるのか)が極めて気になりますが業界として一歩進んできたので頑張って各位歩調を伴ってまいりましょう。
0段階評価が難しい(と予想される)のであれば代替案(たとえばチェック項目だけにする、など)を薬剤師会に打診してくのが大事。 否定だけではいけません。
生涯学習診断表から読み解くのは何か
昨今の調剤報酬改定、2016年、2018年、2020年と激動の改定が行われています。新卒薬剤師や産休等でブランクがある薬局薬剤師にとっては驚愕の変化変動の内容になってきています。 ポイントとしては薬剤師が能動的に自主算定できる点数の増加、かかりつけ薬剤師の推進、面分業の推進からさらに一歩踏み込んで集中率および各種算定数を考慮して調剤基本料のランク付けを行っている事です。
・ 調剤報酬改定は過去のから遡って読み解く(過去ブログ参照)
・ 薬局はいずれ高度薬学的管理機能を持つ薬局か面分業をかなり推進した薬局(いわゆる地域連携薬局)へ収束する
・ 時間はかかるが、自分の薬剤師としての専門分野を開拓しておく必要がある
薬局薬剤師はジェネラリストです。なかなか専門分野は病院薬剤師とは異なり探す事ができにくいでしょう。主に受ける処方箋の科目にもかなりキャリアは影響されてしまいますよね。しかし、厚生労働省から今後の薬局としては高度薬学的管理機能を持つ薬局を急務で主導中。薬剤師としてもどの分野または興味を持てるか進んでいかないと10年または5年先は勤務できないと言われています。
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専門分野は、まずは書籍で手を出してみて興味のある分野を読み込んでいく必要があります。
何もしない、でおくと将来薬局薬剤師としては勤務できなくなるでしょう。