薬剤師業界情報

薬局のあり方その2

今回は前回の薬局のあり方その1の続きを記入。

物議を醸しております以下内容、そう、

医薬品の服用期間を通じて、
必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を行うことを法令上、義務付ける
その方法は現状では、調剤録への記録を法令として義務付ける

薬剤師の果たすべき職務上の責任として法令で定めていく内容(薬剤師法)になり、現場の薬剤師としては疑問に思える審議内容でしたが、さらに、薬局開設者としての責任義務が明記されるという念の入れよう。医薬品医療機器等法の中に法令上の義務として記入されていきますがいったい誰の為の法令なのか全く持って謎、混迷の極みではないか。

取りまとめ案を、以下に再度記載するので参考にしてほしい。

2.具体的な方向性
(1) 患者の薬物療法を支援するために必要な薬剤師・薬局における取組
① 服用期間を通じた継続的な薬学的管理と患者支援
○ 現行の薬剤師法等の規定では、薬剤師は調剤時に情報提供や薬学
的知見に基づく指導を行うことが義務づけられているが、薬剤の服
用期間を通じて服薬状況の把握等を行うべき旨は必ずしも明確では
ない。このため、薬剤師には、調剤時のみならず、薬剤の服用期間を
通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を行う義
務があることを明確化すべきである。

また、患者に対する継続的な薬学的管理・指導を効果的に実施でき
るよう、薬剤師に、上記により把握した患者の服薬状況等の情報や実
施した指導等の内容について記録することを義務づけるべきである。

○ 薬局開設者は、その薬局に従事する薬剤師に対して、上記に関する
業務を実施させるべきである。

薬機法等制度改正に関するとりまとめ引用(2018年12月 第10回)

この上記の文章の、

必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を行う義
務があることを明確化すべき、着目で今後この方法、
内容を調剤録に記録していくことについて、今後審議される。

11月8日の段階では、日本医師会副会長の中川俊男氏が強く厚生労働省のこの方針に反対を示してくれている。

厚生労働省の意見としては、法令で強制力を持つことによって、
各薬局薬剤師が、これまで以上の業務内容に努める、という現場意見皆無の机上の空論主義で方針付け。 法令で強制力も持って各薬局にして欲しい内容は、過去に厚生労働省主体で示していた(患者の為の薬局ビジョン)これに限る。
その患者の為の薬局ビジョンの中でも今回の混迷の方針は、

投薬後である、医薬品の服用期間を通じ服薬状況の把握や薬学的知見に基づいた指導
・服薬情報等提供等における診療内容で、薬物療法に寄与し地域医療に貢献する

この2点だ。
なぜこのような医薬分業における 薬局薬剤師における業務内容に焦点が当たっているかは、過去の審議で、薬局は機能分化や高度管理等を担う薬局機能の審議が行なわれてしまっているからである。 当然この背景には、名ばかりの政策になってしまった健康サポート薬局の補完政策もある。

現段階では健康サポート薬局を標榜しても特段の運営上の指し当たっての利益は皆無。しかし、健康サポートを標榜するにあたり薬効別のOTCの入荷、さらに種類別でSKU単位で入荷せよという中小企業泣かせの方針。大手チェーンは痛くも痒くもない。 どのような薬局を生き残らせたいのか。そして、OTCの在庫で経営を圧迫。また、資格取得者の営業時間上の完備という完璧な政策。そして詰めの、誰でも入れるいつでも入れる薬局を目指そう、そう、営業時間は延長である。 それで診療報酬上、インセンティブがないのであるから全くもって薬局淘汰の魔法の政策にしか思えない。その上、毎年の薬価改定を示す。この薬価改訂毎年マイナス改定だがこれは社会保障費用が逼迫、しているだけの理由ではない。 ジェネリックにおけるアメリカ各社制約会社における知的財産権における動きもあるのであるが今回は割愛しよう。

話しは戻って、健康サポートは標榜したいが運営上の利益に伴い、不可能、できないのが現状なのである。 しかし一方でこの薬局機能分化における審議が平行して行なわれているので、分化次第では基本調剤料として見込める内容でもあるが各地域中小企業ともに及び腰なのは間違いない。

この分化で話しは脱線するが、現状審議されているのが高度治療知識を持った薬局薬剤師における機能分化。これはしっかりと過去の患者の為の薬局ビジョンに記入されているので誰が反対意見を出そうが抜かりない。一例として、抗がん剤、およびHIV薬における高度な知識を持った薬局の創出を狙っているようだが、旧来話し合われいてるのは薬局機能として、例えば抗がん剤における薬物療法としては補完的、または補助的な役割を求めてはどうか、について意見が出ていた。実例として抗がん剤に特化した薬局薬剤師を目指す、中心的な担いは街薬局ではなく、病院薬剤師が行ない、その補完的作業を院外として出したときに地域の薬局にお願いする、というのが狙いだったが現在は、薬局薬剤師も中心的役割を担うように方針が変化している。
糖尿病認定薬剤師でもそうだが、各種認定機構があるがその種のプロとなるには
実例の収集、アセスメント、論文の数、と作業は多い。

勉強会を行なえば、薬剤師は集まるだろうがだが実例の収集はどうだろうか?
実例に伴って苦労する薬局薬剤師もいるだろう。
そこで強みに出るのが、病院薬剤師研修制度を持つ大手である。
病院薬剤師にとっては人手不足の解消。
大手チェーンとしては、病院派遣代金は無償または謝礼研修費用の捻出が必要になるが
病院薬剤師病棟業務の知識の凝集、収集における業務内容の向上は費用対効果が抜群である、 また上記における、高度な知識をもつ認定薬剤師の資格を取得させ、ある程度の時期がたってチェーン薬局へ配属し、分化機能における高度知識をもつ薬局として標榜させる。 病院、大手薬局ともにWINWINの関係がすでに構築、整備されている。

街薬局はどんどん遅れていくがまだ遅くはない。

今日はここまでにしましょう。

 

 

 

 

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