先日、コレステロール疾患についての会合が行われていて
ふとレパーサについて思い出したので、ぜひ薬局薬剤師さんでも
注射もレパーサについても頭の隅に置いていて欲しい。
コレステロールの薬における薬剤師の役割は多種多様である。
・食生活の指導
・運動指導
・間食指導、改善
・予見する副作用の防止
・基準値検査値を患者本人への注視寄与
・患者自身が治療している、という気持ちを作る
・冠動脈狭窄についての予見防止
・合併症の予防(特に糖尿病合併)
まだまだある。 特に、合併症予防に関してでかつ、糖尿が基礎疾患にある場合、動脈硬化および冠動脈狭窄についてはよく考えておきたい。 DPP4阻害併用に切り替えれる場合であればなるべく心副作用の少ないDPP4(ジャヌビア、グラクティブ)を選択し、狭窄度合いの低いスタチン製剤への切り替えを在宅などで考慮したい。(クレストール等)
今回は皮下注射レパーサが市場に出ているので年頭におく。
メーカーHPによると
レパーサはPCSK9に結合し、PCSK9がLDL受容体(LDLR)と結合するのを阻害する。
その結果、LDLRの分解が抑制され、肝細胞表面でのLDLRの再利用を可能とします。PCSK9 のLDLRとの結合を阻害することで、レパーサは血中LDLを除去するLDLR数を増加させ、LDLコレステロール(LDL-C)値を低下させる。
PCSK9とは何か。
「前駆蛋白質転換酵素サブチリシン・・と現場にはあまり必要のない本名は置いといて、いわゆる蛋白分解酵素が種々あるがその1種になるのだろう。
PCSK9は細胞膜上にあるLDL受容体と結合し、LDLとともに細胞に取り込まれたLDLRの分解を促進する。PCSK9が多量になり過剰に存在すると、LDL受容体数の減少によってLDL取り込みが抑制されるため、血中LDLのコレステロール値が上昇するという訳である。
スタチン製剤が主を握っていた時代からの変化としてとてもいいNEWSになっているがお値段なんと1本2万円強。
レパーサはエボロクマブだが、以前勉強会で聞いたアリロクロマブも販売が期待される。
アリロクマブについてはここも見ておいて欲しい。
(つまりは半数が改善したという統計)
この製剤のポイントは切り替えではなくて、スタチンとの併用で初めて相乗効果があり、スタチンの使用によりPCSK9が合成されている報告もあるため、スタチン単剤ではなかなか効果がないのが現実。今回のレパーサ、それにつぐアリロクロマブの使用併用で
スタチン単剤でPCSK9が合成されてしまうが、それに上記薬剤が結合し、相乗効果を狙って、高コレステロール、高脂血症の治療に役立ててもらいたい。ただ薬価が。。
しかし健康は値段に変えられない、冠動脈の狭窄をこれで改善できると考えると、非常にいいと思う。