現在薬局運営での薬剤師ブログとして人気な記事はこちらです。
厚生労働省が示す道筋から考える薬局運営編(全3回)
家具編
薬剤師が意外と良い家具を使うソファ編。
とてもおすすめな高級カウチソファ
先日ある薬局にお伺いさせて頂いた時に、
バイオシミラーの研修をされていたので復習がてらここでも再履修しておきましょう。
DIでも話題だったようですね。
昨今では、国内初のエンブレルのバイオシミラーのエタネルセプトBS皮下注用、薬価も
先発の6割程度(エンブレル皮下注が6472円程度、エタネルセプトが3679円に。)。続々とバイオシミラーは発売されています。それには理由があるのです。
そもそも、バイオシミラーって?
と新卒の薬剤師さんはなるのでしょうか?
再度復習してみましょう。
病院では、かなり採用していますが
調剤薬局では、出る出ないの差が大きいでしょう。
ひと昔前の、成長ホルモンであるジェノトロピンが有名ですが
小児科や医院では投与の関連より、また、
薬価差益や投与として請求しますので医院での利益幅が大きいため、
あまり院外にならない傾向です。
参考: 成長ホルモンのジェノトロピンの薬価は、1本2万7299円。
バイオシミラーである、サンドから出ていますソマトロピンは5mg製剤で
1本1万7000円強。いずれのバイオシミラー製剤は、やはり先発薬価の
6割程度前後を推移しており、患者側からしたら非常に助かるでしょう。
ついでですが、ヒト成長ホルモンは、院外に出す出さないの差が歴然としていますので
今回簡易的な製剤一覧も見ておきましょう。
電池式で一回投与量ができるジェノトロピン、その電池が不要になった
ジェノトロピンゴークイックもありますので専用の針、ジェクト等あるので
調剤時には間違えないようにしなければいけませんね。
また、専用の針がありますのでペンニードルを安易に調剤したりしないのがポイント。
さて、バイオシミラーについてもう一度復習しましょう。
バイオシミラーは、バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行品と同一ですが、細胞株や培養工程は製造業者により異なることから、糖鎖や不純物の割合など先行品と完全には一致しないものの、厳格な品質試験、薬理試験、毒性試験及び臨床試験によって医薬品としての同等性/同質性(「品質の類似性が高く、品質に何らかの差異があっても安全性・有効性に影響を及ぼさないこと」)が検証されています。
安全性と有効性が保証されていますので安心して使えます。
そのため、種々の試験を課してないのでそこまで薬価差は先発品とはないのでしょう。
初収載に、そのバイオシミラーが収載される場合、現状では先発薬価の7掛け、というのも普及に国が急いでいる、という背景が垣間見えます。
先日のブログにも記入していますが、
バイオシミラー医薬品を門前等の医師に処方してもらう場合、
その商品名そのものを記入してもらう必要がありますので
勝手に先発品の処方箋記載でバイオシミラー医薬品の後続品として調剤しないようにしてください。
またある地域でも拝見したことがあるのですが
まだ効能効果が同一でないものも存在していますので添付文章をしっかり
確認してから調剤しましょう。
バイオシミラーは、日本病院薬剤師会と、厚生労働省がタッグを組んで
行っている普及事業。税金も投入している事業なので本気度が伺えます。
全国でもこの1−2年で以下のように全国で普及説明会を行っているというレベル。
病院での普及としては高額医薬品の使用はDPCで制限もあるので
普及する理由もありましたが、日経にも記述されていたように
現場時での調剤において、高額療養費が絡むのがほとんど。
患者側からすると、このジャンルの医薬品に関しては
できれば先発、というのがまだまだ現状な背景があります。
まさに全国での普及説明会、
とても力が入っている、ということですよね。
そういえば・・
自分も引っかかったのですがバイオシミラーにおける
同等性/同質性のワード。 なんだろ?
と思っていたら記述がありました。
バイオ医薬品は分子量が大きく、構造が不均一で複雑なため、有効成分の同一性を実証することが困難です。そこで同等性/同質性という概念が導入されました。
同等性/同質性は、一般に馴染みのない言葉ですが、
「品質の類似性が高く、品質に何らかの差異があっても
安全性・有効性に影響を及ぼさないこと」を意味します。
高分子で構造が複雑なバイオ医薬品は、たとえ同じ製造業者が製造しても、製造工程が変われば品質に微妙な変化が生じます。
そこで、バイオ医薬品の製法変更前後での品質評価のためのガイドラインICH Q5E*(2005 年通知)が定められ、製法変更が品質・安全性・有効性に対して有害な影響を及ぼさないことを立証する方法を示しています。この考え方が、バイオシミラーの評価においても用いられます。
なるほど複雑なんでしょう。国ごとで、バイオシミラーの承認基準が異なります。
これからは、調剤において見かけるようになるでしょうね。