薬情報

PPIが話題?

昨今の情報サイト等でPPIについて話題ですね。
今日は閑話としてPPIの流れ等を考察してみたいかと思います。

薬剤師として勤務する場合、PPIが減薬または減量、
変薬できる可能性があると思われた勤務薬剤師、在宅薬剤師は多いはず。

PPIについて以前、PPIとCKDについて腎臓学会で注意喚起されたのは
記憶に新しい内容。

ポイント

・慢性腎臓病(CKD)とPPIの関連性を示唆する観察研究も散発的に報告されている。
・特に2017年に入ってメタ解析によりPPIとCKDとの有意な相関が示された。
・PPI治療のベネフィットがCKD発症のリスクを上回る際に処方すべきと記された
・PPI投与は低マグネシウム血症の有意なリスク因子となっている
・ただし海外のデータの為遺伝子等が異なる日本人にそのまま当てはめるかは言及次第。

よく遭遇するのは高齢者におけるH2RAの使用かつ、
年齢体重換算のクレアチニンクリアランスを検査値から計算し、
eGFRも考慮してその患者の腎機能の目安を計算。

よく薬剤師勤務で計算する腎機能サイトはここ。

数年前はファモチジン20mg等の使用で腎機能確認により
減量や変薬が現場で行なわれていたのは記憶に新しい。
CF ガスターD20mgの添付文章を見てみましょう。

腎機能低下患者への投与法
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。
腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、
尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする。

もう既出で、新卒薬剤師向けの情報になって恐縮ですが、
CCrについてはある程度の年齢を重ねて、肥満OR体重が逸脱して基本平均体重から
離れていない場合は よく60未満なのを見かけます。
そのため、CCrとeGFRの計算結果により腎機能低下と判断して、DRに疑義する場面
(あくまで状況と場合があり、CCrだけでの提案は危険ですが・・)
がありました。(減量等)

PPIの場合は腎臓に不可というより今回の話は、急性間質性腎炎になりうる
因子のひとつでもあり、漠然と使うべきではない、とう内容になります。

ちなみにPPIの使用量は世界2位が日本だそうです。
びっくりじゃないでしょうか?

PPIで過去よく新卒薬剤師研修で勉強会で言われていますのが
遺伝子多形。日本人はよく変化がでていますので従来のPPIであまり効かないと
思っても、他のPPIに変更することで、効く場合があります。

遺伝子影響を受けやすい2製剤
ランソプラゾール、オメプラゾール

影響を受けにくい2製剤(これに変更して効く場合がある)
ラベプラゾール / エソメプラゾール

そのため、在宅等で
ランソプラゾール、オメプラゾール の製剤で効きが怪しいと判断した場合、
上記のラベプラゾール / エソメプラゾール に変更打診する場合が私はあります。

また、在宅では困難ですが、用法タイミングを多少変更することも大事な場合があります。PPIは、血中濃度が90-120分程度で上昇する為、食後すぐ服用する場合では
血中濃度でそこまで効いていないのでは?と思う場面が過去にあります。

そのため、Drと相談の上、患者にはPPIで食前に服用を願う場合が過去の
薬剤師人生で思い出される内容です。

[chat face="man4.png" name="" align="left" style="type1"]PPIはだいたい、朝食後とかじゃないの??1日1回投与だったら![/chat]

ある例の添付文章を見てみましょう。

逆流性食道炎<治療>
逆流性食道炎の治療においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、8週間までの投与とする。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合、1回10mg又は1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与することができる。ただし、1回20mg1日2回投与は重度の粘膜傷害を有する場合に限る。<維持療法>
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与する。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な逆流性食道炎の維持療法においては、1回10mgを1日2回経口投与することができる。

1日1回であれば食後でなくとも構わないのでしょう。
分1の用法では、おおむね食後と記入して(さらに朝の場合)いる傾向にありますが
食前の用法記入を、ある地域でみたこともあります(分1)。

またPPIで効果不十分の場合に(GERDにおいて)
漢方やモサプリドを漠然と継続している医院もみたことがあります。
ガイドラインをチェックしてみます。

Cのラインにいますのでモサプリドの漠然の投与は旧来の返戻対象になりますので
注意しないといけませんね。

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